「画竜点睛」とは?意味や使い方を解説

四文字熟語

「画竜点睛」

「画竜点睛」「がりょうてんせい」と読みます。

読み間違いで多いのが「がりゅうてんせい」で、四字熟語の読み仮名試験によく出題されます。

また、「画竜点睛」は書き間違いも多くなります。

よく見ると「睛」という字が普通の「晴」とは違います。

「画竜点睛」の意味

「画竜点睛」の意味と由来については以下の通りです。

「画竜点睛」の意味

「画竜点睛」は、「ものごとの最も大切な最後の部分」ということです。

ほとんど完璧に仕上がっていてここさえ仕上がれば、という最も重要な部分です。

仕事では書類が全て仕上がっていて、あとはサインをするだけという場合、洋服もメイクもほぼバッチリ決まっていて、あとはリップを塗るだけという状態などです。

「睛」「瞳」を意味する漢字で、目の真ん中の黒い部分のことです。

これは絵に描いた竜の目玉のことなのですが、その由来については以下を参照下さい。

「画竜点睛」の由来

昔、中国に張(ちょう)という有名な画家がいました。

当時の皇帝は彼に4匹の竜を描く様に命じたところ、3日のうちにまるで生きている様な竜を描き上げました。

ところがよく見ると、4匹の竜には目玉がありませんでした。

張は「竜に目玉を入れると飛び出していなくなってしまいますよ」と言います。

それでも周囲の人達は信じずに張に絵を仕上げる様に言うので、仕方なく竜に目玉を入れることにしました。

2匹目の竜まで目を描いたところ、急に暗雲が立ち込め雷鳴がとどろき、その中を2匹の竜が飛び去って行ったのです。

後に残ったのは目の入っていない2匹の竜の絵でした。

このことから「画竜点睛」「最後の仕上げ」として使われる様になったのです。

「画竜点睛」の言葉の使い方

「画竜点睛」の使い方には以下の様なポイントがあります。

「画竜点睛を欠く」として使う

「画竜点睛」は四字熟語ですが、文章の中で使う時には「画竜点睛を欠く」と書かれることが多くなります。

「画竜点睛を欠く」は、「ものごとを完成させる為の最後の仕上げがされていないこと」「ものごとの最も大切な部分が抜けていること」を意味します。

「仏作って魂入れず」との違い

「画竜点睛を欠く」の同義語として「仏作って魂入れず」という諺があります。

この2つの違いは、「画竜点睛を欠く」「最後のひと仕上げがない状態」であるのに対して、「仏作って魂入れず」「肝心な部分が抜けている為に全く役に立たない状態」という意味です。

大切な作業の過程の違いによるものですが、意味が違ってくるので注意しましょう。

「画竜点睛」を使った例文・短文(解釈)

「画竜点睛」を使った例文と解釈について紹介します。

「画竜点睛」の例文1

「すばらしい資料を作ったのはいいけれども目次がない、画竜点睛を欠いているね」

プレゼンや商品説明などビジネスの資料では目次が重要です。

何ページもの素晴らしい資料を作っておきながら目次がないと、あと一歩で使いにくいものになってしまいます。

通常目次のページは最後に作るものですので勿体ないという意味です。

「画竜点睛」の例文2

「なんでここの壁だけ色が塗っていないのか、画竜点睛を欠いた家造りだ」

建売住宅を下見に行ったところ、壁の一部が何故か着色されていない部分がありました。

他の部分は気に入っていたので「そこだけ最後の仕上げを怠っているのは勿体ない」という意味が伝わってきます。

「画竜点睛」の例文3

「100点の自信があったのに名前を書き忘れてしまった『画竜点睛を欠くとはこのことだ』と先生に言われた」

自分では完璧だと思っていたテストですが、なまじ手ごたえがあった為に「後で名前を書こう」と思って忘れてしまいました。

その結果0点という厳しい結果になってしまった様子です。

「画竜点睛」の例文4

「素晴らしい小説なのにまだタイトルが決まっていないなんて、画竜点睛を欠くだな」

小説はタイトルがないと応募したり出版社に持ち込めません。

タイトルが付いてこそ一つの作品となるのです。

どんなに素晴らしい内容でもこのままでは勿体ないという様子を表す文です。

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