「疎水」と「撥水」の違いとは?分かりやすく解釈

「疎水」と「撥水」の違いとは?違い

この記事では、「疎水」「撥水」の違いを分かりやすく説明していきます。

「疎水」とは?

「疎水」には2つの意味があります。

一つは、灌漑・給水・発電などで水を引くために作られた水路です。

日本にあるものでは、琵琶湖疏水、安積疏水、那須疏水が有名です。

たとえば、琵琶湖疏水の場合だと、灌漑、水力発電、水道用水などに使われています。

「疎」「疏」とも書きます。

もう一つの意味は、水と溶けあいにくいことです。

水と油は混ざりにくいです。

界面活性剤などを使用しない限り、水と油をどんなに一生懸命かき混ぜても、混ざることがありません。

これは、水と油の間にはなじみにくい性質があるからです。

「疎水」には、まったくなじまないわけではないけれど、なじみが弱いという意味もあります。

物質と物質とのなじみにくさを指している言葉で、人と人とのなじみにくさではありません。


「疎水」の使い方

灌漑や給水などで水を引くために作られた水路の意味では「疏」の漢字を使用することもあります。

水に混ざりにくいという意味でも使用をします。

この場合は、水以外の物質との混ざりやすさについては使用しません。

たとえば、アルコールに混ざりにくいといった意味では使用しないのです。


「撥水」とは?

物質が表面で水をはじくことです。

傘やレインウエアには、この加工がされていることがあります。

傘に雨水が当たると雨水が水滴状になり、傘表面から滑り落ちていきます。

これは、傘の生地が水をはじいているから起こる現象です。

雨水が衣服にしみ込んでしまうと、体が濡れて冷たくなり困ります。

こういったことにならないように、レインウエアというものがあります。

レインウエアには、水をよせつけない加工がされています。

この加工は「撥水加工」といいます。

はじくには、はねのける、よせつけないという意味があります。

勢いよく押しやるようなことを指している言葉です。

「撥水」の使い方

物質が表面で水をはじくことを指して使用する言葉です。

表面で起こっていることだけをいいます。

また、水をはじくことであり、水以外の物質についてはいいません。

「疎水」と「撥水」の違い

どちらも水にかかわる言葉ですが、同じ意味ではありません。

前者は、なじみにくいことを指しています。

溶けあわないことです。

後者は、表面ではじくこと、よせつけないことを指しています。

「疎水」の例文

・『疎水沿いを散歩する』
・『疎水性のある物質』
・『疎水によって育まれた自然』
・『疎水性を示す物質』

「撥水」の例文

・『撥水性を備えた衣服』
・『撥水性に優れた靴』
・『撥水スカートを購入する』
・『今日は雨が降っているので撥水加工されている靴を履く』

まとめ

水にかかわる2つの言葉で、水を受け入れないといった似たような意味を持っていますが、同じことではありません。

一方はなじみにくいこと、もう一方ははじくことを意味しています。

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