「皆目」
「皆目」は「かいもく」と読む言葉です。
話し言葉で「かいもく」を使うことがある人の中には、漢字で書いてあるのを見て何と読むのか分からないという人もいるのではないでしょうか。
又、この漢字は読めても、意味が分からないという人もいるでしょう。
「皆目」の意味
「皆目」は、「まるで」や「全く」、「全然」といった意味を持つ言葉です。
「皆目」の後に「〜ない」のような打消しの言葉を続けて、強く打ち消す気持ちや否定を強調する気持ちを表します。
又、「すっかり」や「まるまる全部」といった意味も持っています。
「皆目」の言葉の使い方
「皆目」という言葉は、ぜんぜん分からないことを「皆目分からない」、まるで見当がつかないことを「皆目見当が付かない」、全く知らないことを「皆目知らない」というように使います。
このように、「皆目〜ない」と、打消す形で使われることが多い言葉です。
「皆目」を使った例文・短文(解釈)
「皆目」の意味と使い方を解説してきましたが、ここでは「皆目」を使った例文を見ていただき、この言葉の理解を深めていただきましょう。
「皆目」の例文1
「『なんで私が怒っているか分かるよね?』と彼女に問われたのですが、その理由には皆目見当がつかずに困ってしまいました」
本人には全く悪気がない言動で相手を怒らせてしまうことがあります。
そのような状況では、なぜ怒らせてしまったのか全く分からず、自分が相手を怒らせていることにさえ気づかないこともあるでしょう。
何気なく言ったことが相手を不快な気分にさせたり、深く考えずに取った行動が相手を傷つけてしまうこともあるのです。
相手の勘違いが原因だということもありますが、いずれにしても、相手の気持ちに寄り添った対応をすることで、穏便に解決するケースが多いものです。
「皆目」の例文2
「このところ体調が思わしくなかったのですが、不調の原因が皆目分からないので病院へ行ってきます」
頭痛や倦怠感など、原因不明の不調が続く時には、しばらくすれば治るだろう、と放っておく人が多いものです。
気づけば良くなっていた、というケースも多いのですが、日に日に症状が重くなってしまうこともあります。
こういった不調は、大きな病気のサインであることも考えられますので、早めに診断を受けることが望ましいとされています。
ストレスが原因になっているケースもよくあるといいますので、体調がスッキリしないことが多いという人は、日頃からストレスを溜めないように心がけておくことも大切です。
「皆目」の例文3
「そのことを認めたら大変な事態を招きそうだったので、皆目記憶にありません、と言い張ってその場を切り抜けました」
嘘や誤魔化しは良くないことですが、正直に言ったために大きな問題に発展したり、人間関係に深刻な亀裂が入ってしまうこともあります。
場合によっては、知っていることでも知らないと言ったり、見たことでも見ていないことにしたりといった心遣いが必要になることもあり、それによってものごとを丸く収めることができるのであれば、嘘も方便ということになるのです。
「皆目」の例文4
「皆目関心のない話を延々と聞かされたせいで、貴重な休憩時間が台無しになってしまいました」
仕事の合間の貴重な休憩時間には、何も考えずに頭を休めたり、仲間と楽しい話をして気分転換を図りたいものです。
しかし、そのような大切な時間を、気が休まらない相手と過ごさなくてはいけなくなった時には、なんてツイてないのだ、と思うしかありません。
何とか楽しく過ごそうとしても、気を使うばかりで逆に疲れてしまうものです。