「相場操縦の疑い」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「相場操縦の疑い」とは?意味と使い方

経済関連のニュースで耳にする言葉に「相場操縦の疑い」というものがあります。

先ごろも大手証券会社の社員が逮捕されたというニュースで使われていた言葉ですが、具体的にはどのようなことを指しているのでしょうか。

今回は、「相場操縦の疑い」について意味と類似表現を紹介します。

「相場操縦の疑い」とは?意味

「相場操縦の疑い」とは、「不正な手段を用いて相場を意図的に誘導したという疑惑」を意味する言葉です。


「相場操縦の疑い」の概要

「相場操縦の疑い」「相場操縦」とは「相場を操ること」を意味します。

「相場」とは商品が取引される時の取引価格です。

金融取引においては相場の上下が投資家の利益や損失に直接的に影響します。

保有する証券や債権の相場が上昇すれば利益に下落すれば損失につながるので、もし相場を思い通りに動かせるのであれば簡単に巨額の利益を得られます。

相場が自由な取引によって自然形成される自由市場において「特定の参加者が利益を目的に不正な手段を用いて市場を意図的に動かし有利な相場にすること」「相場操縦」といいます。

「相場操縦」が行われたかどうかをすぐに判定するのは難しいのですが、明確な理由が不明な急変や急落など不自然な相場の動きから何らかの不正が行われたのでは? と推測されることはよくあります。

そのような「はっきりとした証拠はないけれど相場が誰かの意図によって誘導されているのではないか」という疑惑のことを「相場操縦の疑い」と表現します。

市場によってルールは異なりますが一般的に相場操縦は自由市場を阻害する行為であるとされ禁止されています。

「相場操縦の疑い」が確認されると書く市場の監視委員会などが調査に入り事実であると認定されると逮捕されたり取引を制限されたりの罰則が与えられます。

「相場操縦の疑い」の段階ではあくまでも疑惑に過ぎずルール違反とは断定されません。

明確な不正行為には抵触せずに行われているグレーゾーンなケースもありますが、自由で公正な市場を維持するためには「相場操縦の疑い」への対応が必須です。


「相場操縦の疑い」の言葉の使い方や使われ方

・材料もないのに株価が突然急騰したのは相場操縦の疑いがある。

・相場操縦の疑いで証券会社に捜査の手が入る。

・証券取引等監視委員会は相場操縦の疑いに日夜目を光らせている。

・合法であっても相場操縦の疑いを持たれかねない取引は慎むべきだ。

「相場操縦の疑い」の類語や言いかえ

・仕手くさい
「仕手が疑われる」という意味の言葉です。

「仕手」とは短期間の大量取引により株価を釣りあえゲル相場操縦手法のひとつです。

不人気株なのに長期的に大量の買いが入っている、信用買残が不自然に多いなど本来であればありえないような取引の動きが確認された株式に対し「仕手の仕込みが入っているのではないかという」疑惑の意味で「仕手くさい」という表現が用いられます。

「相場操縦の疑い」が様々な手法で行われる相場操縦全般に使われるのに対し、こちらは仕手のみに使われる表現です。

・談合疑惑
「市場の参加者が手を組んで有利な相場がつくりあげられているという疑いがあること」という意味の言葉です。

「相場操縦の疑い」が金融取引で主に使われる言葉であるのに対しこちらは寡占市場での価格操作を表しますが、どちらも意図的に相場を誘導するという点が共通しています。

まとめ

「相場操縦の疑い」は金融市場の不正に関わる表現です。

自らの利益にも影響する可能性があるのでニュースを理解して自衛するためにも言葉の意味をきちんと知っておきましょう。

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