この記事では、「真摯」と「親身」の違いを分かりやすく説明していきます。
「真摯」とは?
「真摯」【しんし】とは、まじめで物事に一心に取り組む様子のことです。
まじめな態度に加え、熱意や責任感を伴っている様子を表すときに用います。
類語には「真剣」「一途」「熱心」などがあります。
「真剣」は本気で取り組んでいること、「一途」は一つのことに打ち込んでいること、「熱心」は情熱を持って物事に打ち込むことを意味しており、一生懸命に取り組むことを表しているところが「真摯」と共通しています。
「真摯」の使い方
「真摯」は、まじめで一生懸命に取り組む人を高く評価する、ポジティブな言葉です。
手抜きをしたり適当にあしらったりすることなく、ひたむきに取り組む姿勢を称賛するときに「真摯に取り組む姿に感動した」などのような使い方をします。
また、物事に真剣に取り組むことをアピールする際に使われる言葉でもあります。
ビジネスシーンでは「真摯に向き合い、課題に対応してまいります」とアピールすると、前向きさや熱意を示して相手に良いイメージを持たせることができるのです。
ただし、企業が問題を指摘されたり不手際をおこしたりして謝罪をするとき「ご指摘を真摯に受け止め、改善に努めてまいります」のような形で使われることが多く、一つ間違えると弁解するために「真摯」という言葉を使っているように聞こえてしまいます。
「真摯」は、多用すると逆効果を招くため、ここぞというときに使うのがポイントです。
「親身」とは?
「親身」【しんみ】とは、相手の立場になり真心を込めて接することです。
血筋の繋がる身内を指す言葉でもあり「身内に接するかのような親切さ」というニュアンスを持ちます。
類語には「親切」「懇切」【こんせつ】「至れり尽くせり」などがあります。
「親切」は相手の立場になって何かをすることで、「親身」は親切よりもさらに真心のこもった対応を表しています。
「懇切」「至れり尽くせり」は、丁寧な気配りが隅々まで行き届いていることですが、どちらかというと親切さよりもサービスの良さを表すときに使われているところが「親身」と異なります。
「親身」の使い方
「親身」は「親身な(だ)」「親身になる」などの形で、心のこもった親切な対応をすることを指すときに使います。
親切にしてくれたことを感謝する、評価するポジティブな言葉で、日常生活、ビジネスシーンにおいてどのような相手に対して使っても失礼にはあたりません。
「先輩が親身に相談に乗ってくれた」のような使い方をするとよいでしょう。
目上の人が「親身」に対応してくれたことを表す場合は尊敬語を組み合わせ「親身にしてくださった」などの形にする必要があります。
「真摯」と「親身」の違い
「真摯」と「親身」の違いを、分かりやすく解説します。
「真摯」はまじめで熱心な姿勢を指し、「親身」は真心のこもった親切さを表します。
どちらもポジティブな意味を持つところが共通し、「しんし」「しんみ」と呼んだ時の韻は似ていますが、このように言葉の持つ意味にははっきりした違いがあります。
まとめ
「真摯」と「親身」は日常でよく使われる言葉で、耳にした時の韻が似ていることから、意味が近いようにも感じられます。
ただし、それぞれの意味は大きく異なっています。
「真摯」については、使い方を間違えるとネガティブな印象を与えてしまうことも覚えておきましょう。