「科料」と「罰金」とは?分かりやすく解釈

「科料」と「罰金」とは?違い

この記事では、「科料」「罰金」の違いを分かりやすく説明していきます。

「科料」とは?

「科料(かりょう)」とは、「相対的に軽微な犯罪で有罪判決を受けた人に対して、1000円以上1万円未満を強制的に納めさせる財産刑(刑罰の一種)」を意味する法律用語です。

「科料」の同音異義語の法律用語として「過料(かりょう)」もあります。

「科料」「主に刑法で規定される財産刑に分類される刑罰の一種」です。

「過料」「地方自治体の条例などで科せる行政罰・秩序罰の一種」である違いがあります。

「過料」よりも「科料」は重い罰則で、検察庁の記録で「科料」は前科が残ることになります。


「罰金」とは?

「罰金(ばっきん)」とは、「犯罪で有罪判決を受けた人に対し、1万円以上を強制的に徴収する財産刑(刑罰の一種)」を意味する法律用語です。

裁判所から有罪判決を受けて「罰金」を科された場合、その罰金を納めないと刑務所に収監されて罰金を支払い終わるまでの労務に服する必要があります。

「罰金」は懲役・禁錮・死刑などと同じ「刑法に基づく刑事罰」であり、「科料」よりも重い財産刑に当たるため、検察庁における前科だけではなく市町村の犯罪人名簿にも氏名が一定期間にわたって記載されることになります。


「科料」と「罰金」の違い

「科料」「罰金」の違いを、分かりやすく解説します。

「科料」「罰金」はどちらも刑法条文を根拠とする刑事罰のうちの財産刑ですが、「科料」よりも「罰金」のほうが重い罰則である違いがあります。

具体的には、「強制徴収される金額の違い」があります。

「科料」「1000円以上1万円未満」ですが、「罰金」「1万円以上」の金額を強制で納めさせる刑事罰になります。

「科料」「罰金」は双方ともに「前科(検察庁の前科調書への氏名記載)」がつきますが、「科料」は市町村役場の犯罪人名簿には載りません。

「科料」と違い「罰金」は、市町村の名簿においても前科者として記録が定められた期間残るという違いも指摘できます。

「科料」の例文

・『インターネット上で知らない他人を誹謗中傷して、その相手から侮辱罪の訴訟を起こされた場合、科料の処罰で前科になる恐れもあります』
・『科料の有罪判決くらいでは前科者にならないという誤った情報もあります』

「罰金」の例文

・『罰金の刑罰を受けたのにその金額を支払う能力・預貯金がなければ、刑務所に入って労務で稼いで支払う必要があります』
・『刑事裁判で罰金の判決を受けることにでもなれば、居住している自治体の犯罪者名簿にも名前が載る社会的制裁も覚悟しなければなりません』

まとめ

この記事では、「科料」「罰金」の違いを詳しく説明しましたがいかがでしたか?

「科料」とは「相対的に軽い犯罪の刑事裁判で有罪となった場合、1000円以上1万円未満の金額を取られる財産刑の罰則」であり、「罰金」とは「刑事裁判で有罪となった場合に、1万円以上の金額を取られる財産刑の罰則」であるという違いがあります。

「科料」「罰金」の違いについて詳細にリサーチしたい人は、この記事の内容を参考にしてみてください。

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