この記事では、「簡潔」と「簡単」の違いを分かりやすく説明していきます。
「簡潔」とは?
「簡潔」には、「簡単」で要領を得ているさまといった意味があります。
手短で、しかも、明確に表現されているのが「簡潔」です。
ただ単に短く伝えるだけでは「簡潔」とは言えず、抑えるべきポイントはしっかりと抑え、そのうえで、短く無駄のない表現を行うことを意味する言葉です。
「簡潔」の類語は、「わかりやすい」や「明快」、「明瞭」、「簡にして要を得た」などとなり、対義語は、「冗漫」と「冗長」です。
共にまとまりがなく伝わりにくいといった意味があります。
「簡潔」の使い方
「簡潔」の使い方には、「簡潔に話す」や「簡潔に伝える」、「簡潔に説明する」、「簡潔に教える」などのほか、説明する際に「簡潔に言うと」といった表現方法がよく用いられます。
また、単純で明確、わかりやすいといった意味の「簡潔明瞭」といった言葉もあります。
「簡単」とは?
物事が大雑把で単純なことを意味する「簡単」。
時間や手間がかからないことを意味する言葉です。
手早く何かを成し遂げることを意味し、無駄のない動作を意味する際にも用いられます。
「簡単」の類語は、「難しくない」や「シンプル」、「楽勝」、「単純」、「簡素」、「易しい」、「簡易」などとなり、対義語は、物事の事情や関係が込み入っているといった意味の「複雑」です。
「簡単」の使い方
「簡単」の使い方には、「簡単に話す」、「簡単に伝える」、「簡単に説明する」、「簡単に教える」など、基本、「簡潔」と表現方法は変わりません。
「簡単」を用いた言葉には、「簡単なメニュー」や「簡単な仕事」、「簡単な問題」などがあります。
「簡潔」と「簡単」の違い
同じ手短に相手に伝えるといった意味を持つ「簡潔」と「簡単」ですが、その内容に大きな違いがあります。
「簡単」の場合、特に中身がどうであれ用いることが可能ですが、「簡潔」の場合は、要領を得た内容でなければなりません。
そのため、手短でも、しっかりとした内容でなければ「簡潔」を用いることはできません。
「簡潔」の例文
・『今回の校長先生は、どんな話でも簡潔に話してくれるので話が短く助かります。』
・『どうも話をまとめることが苦手な私は、相手に簡潔に伝えることができません。』
・『時間がないので、簡潔にお願いします。』
・『簡潔に言うと、この内容では間違いなく却下されると思います。』
「簡単」の例文
・『毎日、仕事が忙しく、夕食が簡単な料理ばかりになってしまいます。』
・『ゲームのルールについて、簡単に説明させていただきます。』
・『周りで野次を言うだけなら簡単ですよね。』
・『先生に教えてもらったおかげで、苦手な問題も簡単に思えるようになりました。』
まとめ
「簡潔」も「簡単」も日常的に用いられる言葉ですが、以上のような違いがあるため、内容に応じた使い分けが必要です。