この記事では、「累計」と「累積」の違いを分かりやすく説明していきます。
「累計」とは?
全体の中のある部分の合計を出して、それらを合わせて計算すること、またそうして出された数です。
部分ごとの小計を出して、それを次々に合計することを意味しています。
企業の売上のことで考えてみます。
A企業は5つの支店を持っています。
それぞれの支店の売上を計算し、各支店の売り上げを合計しました。
たとえば、それぞれの支店の売上が、1支店は100万円、2支店は80万円、3支店は110万円、4支店は90万円、5支店は100万円だったとします。
これらの数字を合計することが「累計」です。
また、計算をして出された数字も「累計」といいます。
この場合だと、5支店の売り上げの「累計」は480万円になります。
「累計」の使い方
部分ごとに出された合計の数を足して合計を出すことや、その出された数を指して使用する言葉です。
「累積」とは?
次から次に積み重なることです。
疲れのことで考えてみます。
疲れは物のように目で見たり、手でつかんだりできるものではありませんが、体にどんどんたまっていく感じがあります。
毎日毎日残業をしていると、疲れがたまっていくことを感じることでしょう。
この場合は、疲れが次から次へと積み重なっています。
これを「疲労が累積する」と表現できます。
サッカーの試合で違反をすると警告が出されます。
1回だけなら、まだ試合に出場できますが、警告がいくつもいくつもたまると、試合に出られなくなります。
警告が次から次へと積み重なることを「警告が累積する」と表現できます。
こうなると、試合への出場が停止されてしまいます。
「累積」の使い方
次から次に積み重なるという意味で使用をします。
同じ性質のものが積み重なることをいい、悪い意味で使われることが多いです。
たとえば、疲労や借金などです。
「累計」と「累積」の違い
どちらの言葉にも「累」という漢字が使用されています。
「累」には、かさねる、かさなるという意味があり、この漢字が意味するように、2つの言葉には重なるという意味合いがあります。
しかし、同じことではありません。
「累計」は、小計を次々に加えて合計を出すことや、その合計を意味しています。
よい意味も悪い意味もありません。
「累積」は、次々に積み重なることです。
悪い意味で使われることが多いです。
「累計」の例文
・『累計販売数が100万部を突破』
・『累計患者数は5000人だ』
・『シリーズ累計販売数50万本』
・『課金累計額は1万円』
「累積」の例文
・『疲労が累積して動けない』
・『累積の赤字額』
・『違反が累積して免許を停止される』
・『イエローカードの累積が2枚』
まとめ
2つの言葉には、かさねる、かさなるという意味を持つ「累」という漢字が使用されている通り、重なるという意味合いがあります。
しかし、それぞれの意味は異なります。