この記事では、「結論」と「まとめ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「結論」とは?
「結論」とは辞書によると、考えたり論じたりして最終的な判断をまとめること。
また、その内容とあります。
その使用例は、『皆の意見を総合的に勘案して、このような結論に至りました。』等となります。
「まとめ」とは?
辞書には「まとめ」とは、まとめること。
また、まとめたものとあります。
『複雑な内容を整理してまとめました。』等と使われます。
「結論」と「まとめ」の違い
上記の2つの言葉の説明から、何となく「結論」と「まとめ」は違う意味を持つものだとは理解できても、やはりスッキリしない点もあります。
そこで、「結論」と「まとめ」の違いを、科学技術系の論文・レポート等を記載する場合を例に挙げて説明したいと思います。
論文やレポートでは、何を明らかにするのかの「目的」を明確にします。
次にそれをどんな方法・手段で明らかにするのかの「アプローチ方法」を示します。
どんな実験を、どんな前提条件で行うのかと言った事を記載します。
そして実験によって得られた「結果」をグラフ等も活用して整理します。
その後、その「結果」と各種文献等を照らし合わせ、「結果」の持つ意味を「考察」します。
こうして「結果」「考察」を経て、「目的」としていた何を明らかにするのかの「結論」を導き出すのです。
論文やレポートは、その内容によってはレポートの枚数が多くなり、読んでいる人がポイントを把握しにくいと言った事も生じます。
そのために、一般的には論文やレポートのポイント・概要を冒頭に記載し、その論文やレポートの内容全体をかいつまんで記載します。
これが「まとめ」です。
「まとめ」は一般的には順番が最後と思われる方が多いでしょうが、学術論文では冒頭に持ってくることの方が多いものです。
以上の例で理解できたと思いますが、「結論」は「課題」や「目的」に対する最終判断であり、「まとめ」はその「結論」至ったアプローチ方法や考え方等の全体概要を短く表現する事を指すのです。
この2つの言葉を混同しやすくしているのは、先に事例として記した『皆の意見を総合的に勘案して、このような結論に至りました。』のようなケースがあるからでしょう。
すなわち、一般的には議論においては、沢山の人が意見を出し合い、その意見を集約し「まとめ」ます。
その上で、多数決等も使って「結論」を導き出すのが民主的なプロセズです。
従って、意見を集約し「まとめ」ると、それが「結論」に直結するために、「まとめ」と「結論」の違いを分かりにくくしていると考えられます。
まとめ
「結論」とは、考えたり論じたりして最終的な判断内容を示す言葉です。
一方の「まとめ」とは、「結論」に至るまでのアプローチ方法や考え方の全体概要を短く表現する事を指す言葉です。
2つの言葉は、混同しやすい面もありますが、全く違う意味を持つ言葉です。
従って、論文等においては、「まとめ」は「結論」とは全く別に項を設けて記載されるのが一般的です。