この記事では、「緊迫」と「切迫」の違いを分かりやすく説明していきます。
「緊迫」とは?
状況や何かが非常に差し迫っていることを意味する「緊迫」。
「緊迫」の「緊」には、差し迫るという意味があり、「迫」にも、差し迫る、といった意味があります。
この点からも非常に差し迫った様子を意味する言葉だということがわかり、また、「緊張」の「緊」が用いられていることから、緊張し今にも何か事が起こりそうなことを意味する言葉でもあります。
「緊迫」の類語には、「緊張」や「火急」、「緊急」、「切羽」などがあります。
「緊迫」の使い方
今の状況を示す使い方として、「緊迫した状態」や「緊迫が続く」、「緊迫した試合」、「緊迫した空気」、「緊迫した場面」といったほか、「緊迫感」といった言葉も頻繁に用いられる言葉です。
「切迫」とは?
期日などが間近に迫ることを意味する「切迫」。
また、緊張した状態になるとことといった意味や逃げ場のない追い詰められた状態になることも意味する言葉です。
そのほか、これらの意味とは異なり、呼吸や脈が小刻みに速くなるといった意味もあります。
「切」には、せまる、差し迫る、といった意味もあり、同じ意味を持つ漢字が組み合わさり、このような意味となります。
「切迫」の類語には、「緊迫」同様、「緊張」や「火急」、「緊急」、「切羽」などとなります。
「切迫」の使い方
「切迫」の場合、「締め切りが切迫する」や「事態が切迫する」などのように何が「切迫」するのかといった使い方のほか、「切迫した表情」などのような使い方もあります。
「緊迫」と「切迫」の違い
「緊迫」の場合、「緊迫状態」とは、ピリピリした空気で非常に緊張感漂う状態となります。
一方、「切迫」の場合は、物事が差し迫った状態となり、急いで何かを行わなければ間に合わない、といった状態となります。
このように、同じ差し迫った状態でも、その状況において、微妙な違いがあるのが「緊迫」と「切迫」の違いです。
「緊迫」の例文
・『今の緊迫した空気に耐えることができません。』
・『あとがなく、絶対に負けることができない試合だということもあり、緊迫した試合展開が続いています。』
・『海外への一人旅が趣味の私は、今まで何度も緊迫した場面に遭遇してきました。』
・『人命救助を行うため、一瞬のミスも許されない緊迫した状態が3日間続きました。』
「切迫」の例文
・『コンペの期限が切迫しているにも関わらず、作業が全く進まず困っています。』
・『返済期限が切迫しているため、どうにかお金の準備を行わなければならない。』
・『父の失業をきっかけに、我が家の経済情勢はどうやら切迫した状態にあるようです。』
・『切迫した雰囲気の中、良いアイデアを出すことなんてできない。』
まとめ
このように、同じ差し迫った状態でも状況に応じて、「緊迫」が適しているのか、「切迫」が適しているのか、使い分けることが大切です。