「肌落ち」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「肌落ち」とは?意味と使い方

最新ニュースを読んでいると、聞いたことのない表現に出会うこともあります。

この記事では、「肌落ち」の意味を分かりやすく説明していきます。

土木にまつわる用語を、正しくチェックしていきましょう。

「肌落ち」とは?意味

「肌落ち」とはトンネルを掘りすすめる工事をおこなっているとき、岩肌がはがれ落ちてしまう現象のこと。

大量の土砂がなだれ落ちてくる、怖い事故をあらわします。

「肌落ち」はおもに山岳トンネルを掘っているときに起こります。

山岳トンネルは、リニアや新幹線など長距離の鉄道レール用に掘られます。

作業はもちろん重機をつかっておこなわれますが、事前に大量のダイナマイトを敷いて爆発させておく必要があります。

このダイナマイトの爆発によって岩盤に切れ目がはいり、なだれのような土砂崩れが発生することを「肌落ち」といいます。

「山肌が波のように崩れ落ちていくこと」から「肌落ち」と呼ばれるようになりました。

肌落ちが起きるとトンネル内にいた作業員が巻き込まれて、死亡事故に発展することもあります。

大規模な工事現場において、とても危険な事故のひとつです。


「肌落ち」の概要

「肌落ち」は近畿自動車道をはじめ、全国のトンネル工事で定期的に発生しています。

もっとも記憶に新しいのは、2021年の10月27日に起きた「リニア中央新幹線の肌落ち事故」です。

これは開発中のリニアの工事現場で起きたもので、岐阜県中津川市で発生しました。

夜間の肌落ちに作業員2人が巻き込まれ、そのうち1名の方は死亡する大惨事となっています。

当時、現場ではダイナマイトを使って作業をおこなっていました。

爆破からわずか10分以内に肌落ちが起き、トンネル内の点検をおこなっていた作業員が巻き込まれてしまいました。

作業を管轄しているJR東海では現在、原因を究明しています。


「肌落ち」の言葉の使い方や使われ方

「肌落ち」はこのように用いていきます。

・リニア新幹線で肌落ちと呼ばれる、崩落事故が発生した。

・不幸な肌落ち事故を防ぐための、AIによる取り組みが進められている。

・なぜ肌落ちが引き起こされたのか、第三者委員会による検証が始まった。

「肌落ち」とはトンネルの掘削工事で起こる、とても危険な事故です。

そのため事故の悲報を伝えるとき、事故の検証をおこなうシーンで使います。

「肌落ち」の類語や言いかえ

「肌落ち」と同じような用語には、次の言い回しもあります。

・トンネル崩落
・崩落事故
・山肌がはがれ落ちる
・岩盤が崩れる
・はらみ出し
「肌落ち」「トンネル崩落」「崩落事故」などと、言いかえできます。

ちなみに「はらみ出し」も土木で使われる言葉で、山岳トンネルの工事中に地山が押し出してくる現象をあらわしたものです。

まとめ

「肌落ち」の意味や使い方をチェックしました。

「肌落ち」とは山岳トンネルの掘削工事中に、ダイナマイトで爆破した岩肌が、後になって崩れ落ちてくること。

死亡事故につながる、とても危険な事故です。

リニアの工事中に「肌落ち」が起きたこともあり、現在原因の究明や対策が急がれています。

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