メンタルの不調にまつわる専門用語は複数あります。
この記事では、「自傷行為」と「自虐行為」の違いを分かりやすく説明していきます。
病状の違いを、正しく学んでいきましょう。
「自傷行為」とは?
自傷行為とは、自分で自身のからだに傷をつけること。
腕を刃物でカットする行動から、リストカットと呼ばれています。
自傷行為は自殺のひとつと思われることもありますが、様相は異なっています。
「本当はまだ生きていたい」と強く思っているからこそ、おこなわれるのが自傷行為だからです。
自傷行為をする背景には、悩みやコンプレックスを打ち消したいという願望があります。
また過去のトラウマから逃れるために、傷をつけることもあります。
自傷行為は自分の悩みを自分でどうにかしたいと思うあまり、極限まで走ってしまう行動です。
そのため真面目で責任感のある人ほど、自傷行為に進みやすい傾向があります。
自傷行為をやめるためには、心療内科など専門家の手助けをかりることが重要になってきます。
「自虐行為」とは?
自虐行為とは、自分で自分をおとしめること。
自分の弱さや欠点を見つけて、苦しめることです。
「自分をいじめること」が自虐行為といえます。
自虐行為は「自虐的・自虐ネタ」ともいわれます。
自虐ネタは吉本興業のお笑い芸人から生まれたもので、自分の失敗談をネタにすることです。
あえて自分の弱みをさらけ出し、お客さんのウケを狙う手法です。
最近では会社や学校でも人間関係を円滑にするために、こうした自虐ネタが幅広くつかわれています。
自虐行為はうまく使えば、周囲の人とちょうどいい距離をつくっていけます。
一方であまりに多用すると「愚痴っぽい・いんきくさい」と引かれてしまうデメリットもあります。
明るい自分、失敗した自分。
どちらもバランスよくさらけ出していくことが、良い人間関係づくりに役立ってくれます。
「自傷行為」と「自虐行為」の違い
どちらも四文字熟語のため、紛らわしいです。
「自傷行為」と「自虐行為」の違いを、分かりやすく解説します。
・注意したいのは「自傷行為」
「自傷行為」と「自虐行為」はよく似ていますが、メンタルクリニックで用いられているのは「自傷行為」になります。
自虐行為は自虐的・自虐ネタなど、自分をおとしめる会話のテクニックのひとつです。
自傷行為はリストカットのように、自分のボディに傷をつけることを指します。
また複数のピアスの穴をあけること、髪の毛をわざと抜くことも含まれます。
いずれも「自分を愛したい」と思ってはいても現実を受け入れられず、苦しみから逃れるためにしている行動です。
周囲に自傷行為をおこなっている方がいたら、SOSだと受けとめて、適切な医療機関に導いてあげることも大切になってきます。
まとめ
「自傷行為」と「自虐行為」の違いを、分かりやすく解説しました。
緊急性が高いのは、自傷行為。
リストカットと呼ばれ「自分のからだを傷つける心の不調」です。
よく似ている自虐行為は医療用語ではなく、会話のテクニックのひとつ。
自分の失敗談をわざとひけらかすことです。
正確な知識を知って、身近な暮らしに役立てていきましょう。