「自殺」と「自決」の違いとは?分かりやすく解釈

「自殺」と「自決」の違い違い

「自殺」「自決」はどちらも自ら命を絶つことを指す言葉ですが、この二つには異なる意味があります。

この記事では、「自殺」「自決」の違いを分かりやすく説明していきます。

「自殺」とは?

「自殺」とは、自分で自分の命を絶つことを意味します。

「自殺」は、文字通り「自らを殺すこと」ですが、日本の刑法では、自殺は処罰の対象になりません。

ただし、自殺を教唆したり手伝ったりした場合には「自殺関与罪」に問われます。

対義語は、「他殺」で、他の人に殺されることを意味します。

「自殺」を表す英単語は、“suicide”です。


「自殺」の使い方

自ら命を絶ちたいと考えることを「自殺願望」といいます。

「自殺行為」は、自滅するとわかっていることを、あえてしようとするばかげた行為のことです。

「自殺的」は、自滅することを予想しながら、敢えてそのことをするさまを意味します。

サッカーなどで、プレーヤーが誤って自陣ゴールにボールを入れ、相手に与えた点のことを「自殺点」といいます。


「自決」とは?

「自決」とは、自分の意志で態度・進退を決めることを意味する言葉です。

また、自分の手で生命を絶つことという意味もあります。

英語にする場合、自分の意志で進退を決めるという意味での「自決」は、“self-determination”になり、自殺と言う意味での「自決」は、“suicide”になります。

「自決」の使い方

動詞として用いる場合には、「自決する」という形で使われます。

「自決する」と言う場合は、自らの意志で決めることなのか、自殺の事なのか文脈で判断する必要があります。

「民族自決」は、それぞれの民族は自らの運命を自ら決するべきであるとする考え方の事です。

第一次世界大戦期の民族主義の高まりの中で提唱され、ベルサイユ条約によって国際秩序の原則として認められました。

植民地等が独立を達成する権利や自らを代表する政府を持つ権利のことを「自決権」といいます。

「自殺」と「自決」の違い

「自殺」は、客観的に見て、自ら死を選ぶ場合をすべて含みます。

そのため、何かを決意して死を選ぶ場合も、何かに絶望して死を選ぶ場合も、誰かに脅されて死を選ぶ場合もすべて「自殺」です。

それに対し、「自決」は、何かしらの強い決意を持って自ら死を選ぶ場合のみを指します。

「自決」という言葉の本来の意味は、「自ら決すること」なので、そこから考えてもやはり「自決」には、強い意志や決意が必要です。

「自殺」の例文

・『若者の自殺の増加は深刻な社会問題だ。』

・『この状況でそのような選択をするのは自殺行為だ。』

・『彼女は借金を苦に自殺してしまった。』

・『自殺率を下げる方法を考える。』

「自決」の例文

・『負けを悟り、ピストルで自決した。』

・『沖縄戦における悲劇的な集団自決について知る。』

・『あの国の首相は民族自決を掲げている。』

・『国民の総意で自決すべき問題だ。』

まとめ

「自殺」は自ら命を絶つこと、「自決」はその中でも強い決意のもとに行われることです。

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