自分の日ごろの行いや態度を省みたり、自ら戒めたり、溢れ出そうな感情をぐっとこらえたりなどコントロールを必要とする場面が生活にはあります。
誰かからの教えや宗教などでこれらが行える様にトレーニングをすることもありますが、自分の意志というものはとても大事になってきます。
これらの状況を表す言葉に『自省』と『自制』が存在します。
どちらも『自制』という同音異義語ですがそれだけでなく厄介なのが、使っている感じの意味も非常に似ているのが混乱する原因になっています。
今回は同音異義語の中でも厄介なこの2つについて理解をし、区別が出来る様になりましょう。
この記事では「自省」と「自制」の違いを分かりやすく説明していきます。
「自省」とは
これは『自らの行動や言動を省みること』という意味を持ちます。
漢字の持つ言葉を見るとこの意味がよくご理解頂けると思います。
ポイントとしては『過去の言動』に対してという部分にあります。
未来に対しては『自省』を使わないというのも覚えておきたい部分です。
例えば『自省の念』という言葉がありますが、これは自ら行った言動を省みるという心構えや態度という意味があります。
『省』という言葉は自分のしたことをもう一度考えてみるという『過去』に対して使われる言葉であるのです。
「自制」とは
一方こちらは『自分の感情や欲望などを抑えること』を表した言葉です。
この言葉のポイントは『感情や欲望』と『抑える=制する』という部分であることです。
感情や欲望のまま行動をしてしまうと、とんでもない事態になってしまうことも少なくありません。
例えば欲望のままに暴飲暴食すると健康を大きく損なうということもある為、『自制』をする必要があるのです。
良く出来た言葉で『セルフコントロール』(Self-control)という言葉にそのまま直訳できます。
もう一つ押さえておきたいポイントとして、『これからのこと』つまり『未来』に対して使われているという部分です。
『自制』する理由は全てこれから先に発生するであろう悪い結果、つまり未来を想像してそこに陥らない為です。
例えば、上記の例であれば『暴飲暴食を自制する』のは『自分のこれからの健康を守る為』ということに繋がります。
「自省」と「自制」の違い
この2つは『過去の自らの言動を省みる』のか『未来のことを考えて自分の感情や欲望を抑えるのか』で違いを付けることが出来ます。
『自』の次に使われている漢字の意味を独立して見る様にするとしっかりと違いが理解できる様になりますので、覚えておきましょう。
『省みる』のは『過去』。
『制する』のは『未来』の為。
という覚え方でもいいかもしれません。
まとめ
如何でしたでしょうか。
同音異義語で同じ漢字が使われているという厄介なものが今回の『自省』と『自制』でした。
同音異義語は言語に関わらず存在しています。
もしも語学を学んでいるのであれば、他言語と紐付けをして覚えるのもとてもいいテクニックです。
是非試してみて下さい。