「自負」と「自覚」の違いとは?分かりやすく解釈

「自負」と「自覚」の違いとは?違い

自身のことを認識するといっても実はとても多くの段階や度合が存在しています。

これは意識、無意識化に関わらず、古今東西で様々な考えや研究がされており、意味付けとして宗教に利用されたりなどしてきました。

最近では心理学などのサイエンスの分野でもこの考えは浸透しており、それに伴い様々な言葉が出てきています。

そんな中で『自負』と『自覚』というものがあります。

これは我々が一般的な言葉として日常的に使っていますが、実はニュアンスが違う言葉ですので注意が必要です。

この記事では「自負」「自覚」の違いを分かりやすく説明していきます。

「自負」とは

この単語の意味は『誰がどう考えているかは問わず仕事や学問、運動能力などに自ら自信を持ち、誇りにもつこと』を指すものです。

ここでのポイントは『誰がどう考えているかは問わない』という完全な自分自身の考えに依存している言葉です。

例えば『この製品は必ずや御社のご期待に添えるものと自負しております。』などの様に、自身の優位性などを相手に強く印象付ける時に使う言葉です。

表現を悪くいうと、客観的な実力などは度外視にして自分がどう思っているのかという部分が特徴とも言えます。


「自覚」とは

一方この『自覚』は『自身の置かれている立ち位置、状態、能力や価値などを明確に理解していること』を指している言葉です。

ポイントは『明確に理解していること』という部分にあることに注意しましょう。

例えば何かミスを犯すなどして叱責を受ける時に、『君には自覚があるのか!』という言葉を聞いた事がある方も多いと思います。

これは言い換えると『君は自分の立ち位置ややってしまったことなどを明確に理解しているのか?』という意味になる言葉です。


「自負」と「自覚」の違い

この二つは『勝手に思っている』のか『しっかりと理解しているのか』という違いではっきりと使い分けることが出来ます。

どちらかと言うと『自負』は何の根拠もなくてもできますが、『自覚』はしっかりと自分を見つめなおさないとできないという重みの違いも存在している言葉の比較ではないでしょうか。

「自負」の例文

・『彼にだって元エリートという自負はあるはずだ。』

・『今回の作品はこれまでにない仕上がりになっているという自負があります。』

・『試行錯誤の上、シェフは日本のどこにも負けない素晴らしいソースを作り上げたと自負している。』

「自覚」の例文

・『君には上司としての自覚がないからこの様な無茶な行動をするのだ。』

・『海外でも一人一人が日本を代表しているという自覚を持つことで我々の国に対する印象が大きく改善する。』

・『彼がここ最近一生懸命勉学に励んでいるのは自分の置かれている状況を自覚しての行動でしょう。』

まとめ

如何でしたでしょうか。

何かを認知する時の度合いの違いを表す言葉の代表が今回の『自負』と『自覚』でした。

文章として使われるととても意味が分かりやすいですが、単語そのものだけで意味をパッと理解できる様になるには少し練習が必要です。

是非練習をして使い分けを出来る様にしてみましょう。

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