語彙力のある友達と話していると、よく分からない言葉が出てきて戸惑うこともあります。
この記事では、「舟を漕ぐ」の意味を分かりやすく説明していきます。
あいまいなフレーズを、このチャンスに学んでいきましょう。
「舟を漕ぐ」とは?意味
「舟を漕ぐ」とは、船頭さんがゆったり舟を漕いでいるように、うとうとと居眠りすること。
陽だまりの電車でよく見かける、おなじみの光景です。
「舟を漕ぐ」は体を前後左右にユラユラと揺らしながら、ぐっすり眠ることです。
スヤスヤ眠っている本人は舟を漕いでいることに気付いていないので、まわりの人が使う言い回しになります。
スーツを着たおじさんが仕事に疲れて舟を漕いでいる様子は、どこか無防備で微笑ましいです。
「舟を漕ぐ」シーンをよく見かけるのは、電車やバスなどの乗り物の中です。
とくにガタンガタンという線路の音を奏でる電車に乗っていると、独特の揺れも手伝って、自然と眠たくなってしまいます。
電車などの座席に座って熟睡する姿が「舟を漕ぐ」になります。
「舟を漕ぐ」の概要
「舟を漕ぐ」はオールをゆったり漕いでいる、船頭さんの動きになぞらえて付けられた言葉です。
川の上に浮かんでいる舟は、自分の力だけでは前に進めません。
そのため船頭さんが、うまく力を与えてあげることが必要になってきます。
このとき行うのが、パドルを押したり引いたりする動作です。
この様子が「眠っている人の、うつらうつらした様子」と似ていたので、いつしか「舟を漕ぐ」という言い回しが生まれるようになりました。
座席に腰かけたまま、こっくりこっくりすることが「舟を漕ぐ」。
何ともほのぼのとした慣用句です。
「舟を漕ぐ」の言葉の使い方や使われ方
「舟を漕ぐ」はこのような使い方をします。
・電車に乗ったら、真向かいの高校生が大きく舟を漕いでいた。
・動物園で舟を漕ぐように眠る、ライオンを見た。
・となりの人が舟を漕いできたので、慌てて座席をかえた。
「舟を漕ぐ」は体を前後や左右に揺らしながら、ぐっすり眠っていることをあらわします。
熟睡している人や動物に、つかうこともあります。
「舟を漕ぐ」は微笑ましい情景ですが、肩や腕に何度もぶつかると不快に感じることもあります。
多くの人がつかう公共の乗り物だからこそ、お互いが気持ちよく過ごしたいものです。
「舟を漕ぐ」の類語や言いかえ
「舟を漕ぐ」と同じような表現には、次のフレーズもあります。
・船をこぐ
・電車でウトウトする
・ゆらゆら眠る
・うつらうつら寝る
・爆睡する
SNSでは「舟」という漢字が使われず「船をこぐ」と言い表すこともあります。
「ゆらゆら眠る」や「うつらうつら寝る」と代用することもできます。
まとめ
「舟を漕ぐ」の意味と使い方をおさらいしました。
「舟を漕ぐ」とは、体を揺すりながら眠る人のこと。
船頭さんの「パドルを漕ぐ」様子になぞらえた言葉です。
昼下がりの電車で、よく見かける光景のひとつです。
色々な表現をおさえると、日常がより豊かに感じられます。