この記事では、「花椒」と「山椒」の違いを分かりやすく説明していきます。
「花椒」とは?
ミカン科サンショウ属の落葉低木です。
学名はZanthoxylum bungeanumといいます。
東南アジアが原産地とされており、中国では自然のものが分布しています。
栽培もされています。
花は3月から5月ころに咲き、7月から10月にかけて実が熟してきます。
実ははじめは緑色ですが、熟すと赤くなってきます。
乾燥させた果実は香辛料として使用されます。
香辛料としての「花椒」はピリッとした辛さが特徴です。
この辛さのことを中国では「麻(マー)」と表現します。
この香辛料を使用した代表的な料理は麻婆豆腐です。
豆腐を使用したピリッとした辛さのある料理です。
その他には、麻辣鍋、カレー、野菜炒め、中華風ピクルス、パスタなどにも使用されます。
「花椒」の使い方
ミカン科サンショウ属の落葉低木のことですが、日本ではこの熟した果実のことを指して使用することが多い言葉です。
スパイスにはホールとパウダーがありますが、どちらの形状でも「花椒」といいます。
「山椒」とは?
ミカン科サンショウ属の落葉低木です。
学名をZanthoxylum piperitumといいます。
日本列島や朝鮮半島が原産地とされており、山地に自生をしています。
花は4月から5月に咲き、緑色だった実は9月から10月ころに赤く熟してきます。
葉は1~2cmの卵状長楕円形です。
若芽や若葉は木の芽とも呼ばれ、焼き物や煮物などに彩りを添えたり、吸い物に香りを添えたりしてくれます。
未熟な果実は実山椒と呼ばれ、佃煮などの料理に使用されます。
食べるにはあく抜きが必要です。
たっぷりの湯でゆでることであく抜きができます。
完熟した果実の果皮は粉にされ、粉山椒と呼ばれます。
これは、照り焼き、七味唐辛子、ウナギのかば焼きやうな重などに使われます。
「山椒」の使い方
ミカン科サンショウ属の落葉低木の、完熟した果実の果皮を粉にしたものを指して使用されることが多い言葉です。
若芽や未熟な果実は別の名で呼ばれています。
「花椒」と「山椒」の違い
ミカン科サンショウ属の落葉低木という点が同じですが、種が違います。
どちらも香辛料と使用されており、ピリっとした辛さが特徴です。
使用される料理は異なります。
「花椒」は果実が使用されますが、「山椒」は果実だけでなく、木の芽と呼ばれて葉も使われます。
「花椒」の例文
・『花椒の味がきいている麻婆豆腐』
・『花椒を使った鍋物』
・『ホールの花椒を料理に使う』
・『料理には花椒が欠かせない』
「山椒」の例文
・『山椒のピリリとした辛さが好き』
・『うなぎには山椒をかけて食べる』
・『山椒の葉が使われている吸い物』
・『瓶入りの山椒を購入する』
まとめ
どちらの言葉もミカン科サンショウ属の植物を指していますが、種が異なります。
香辛料として使用されており、辛さがある点が似ていますが、使用される料理は異なります。