「若干」「弱冠」の違いとは?分かりやすく解説

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「弱冠」と「若干」の違い

この「弱冠」「若干」は、共に「じゃっかん」と読む言葉です。

しかし、意味は全く違うので、間違えて使わないように注意が必要です。

「弱冠」とは?

「弱冠」の本来の意味は、数え年で20歳のことです。

この数え年とは、生まれた年が既に1歳で、以降1年ごとに1歳ずつ年をとるという計算で求めます。

実際の誕生日は関係なく、何月の何日に生まれようと、2001年生まれの人なら、2010年の1年間は必ず10歳に、2018年には18歳になります。

その計算により、20歳となる1年間が、その人にとっての「弱冠」と表現される年です。

また、20歳と比較的若い年齢のことを指す言葉だという点から転じて、「若輩者」(じゃくはいもの、若い人という意味です)というニュアンスで使われることも多いです。

「若干」とは?

こちらの「若干」は、数や量こそ決まっていないものの、決して多くはないという意味で使います。

求人の内容で、採用人数に「若干名」と書かれているのを見たことがある人も多いでしょう。

この場合には、具体的な人数は決まっておらず、「ほんの数名」程度だと解釈してください。

この言葉の意味が分からないと、「若干名」と見た時に、「若い人が千人」などといったとんでもない間違いをしてしまうかも知れません。

「弱冠」を使った例文

弱冠を使った例文です。

本来の意味と、実際によく使われる方の意味の両方の例文を挙げていきます。

「弱冠」を使った例文1

「今年は弱冠と呼ばれる年だが、本当はまだ18才だ」

数え年だと、1991年生まれの場合には、2010年に20歳になります。

よって、2010年は1年間「弱冠」に該当する年齢になる訳ですが、1991年の5月生まれだとすると、2010年の誕生日が来るまでは、本当の年齢は18才です。

このように、数え年と実際の年齢には最大2歳のギャップが生まれます。

生まれた時点で1歳と数える為、1歳以上は必ず多くなるのです。

参考までに、死者に対し、亡くなった年齢を「享年○○才」と表現しますが、この「享年」は、数え年で表すのが一般的です。

「弱冠」を使った例文2

「彼は弱冠25歳で経営者になった」

こちらでは、「若輩者」という意味で使っています。

実際の「弱冠」の使われ方は、こちらの方が多いと考えていいでしょう。

この「若輩者」という表現をそのまま使うと、「まだ(世の中の)色々なことが分かっていない」といったニュアンスが多分に含まれるので、人に対して使う時には注意が必要です。

「弱冠」であれば、そのような意味は含まずに、「若いながら」といういい意味での解釈で使うことができます。

「若干」を使った例文

若干の方の例文になります。

こちらは意味がはっきりしている言葉なのと同時に、使い方も簡単です。

「若干」を使った例文1

「集まった金額が若干不足しているが、一応何とかなるだろう」

少しだけ目標金額には足りなかったという意味で「若干」を使っている例です。

具体的な数字の目安は特にない表現ですが、一例として、10万円が目標なら、5千円程度足りないという場合に、この「若干足りない」という使い方が適当です。

「若干」を使った例文2

「塩は若干量と書かれているけど、どれくらい入れればいいの?」

料理のレシピでは、この「若干量」という表現をよく見掛けます。

「ほんの僅か」だと解釈して、塩であれば、一摘み程度だと考えてください。

レシピにおいて、このような表現の場合には、好みによって多少それより増やしてもいいでしょう。

そういった意味を含んでいる場合に、「若干量」という形で使われます。

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