この記事では、「苦悩」と「葛藤」の違いを分かりやすく説明していきます。
「苦悩」とは?
「苦しみ悩む」と書いて「苦悩」。
その漢字の意味通り、あれこれと苦しみ悩むことを意味します。
なにか問題にぶち当たった時、どうすれば良いのかわからない、解決策が見当たらない、など、色々と苦しんだり、思い悩んだりすることを意味する言葉です。
「苦悩」をほかの言葉で言い換えると、「苦しみ」や「悩み」のほか、「苦痛」、「四苦八苦」や「悪戦苦闘」、「苦心惨憺」、「意匠惨憺」となります。
「苦悩」の使い方
「苦痛」の場合、「苦悩する」、「苦悩した」といった使い方だけではなく、「苦悩の表情」や「苦悩の末」、「苦悩の日々」、「苦悩の中」、「苦悩の色」といった言葉もあります。
「葛藤」とは?
「葛藤」には3つの意味があります。
1つ目は、人と人が互いに譲らず対立し、いがみ合うこと。
2つ目は、心の中に相反する動機・欲求・感情などがあり、その中のどれをとるか迷うこと。
3つ目は、仏語で正道を妨げる煩悩といった意味があります。
一般的には、人と人とが対立することを意味する場合や心の中に相反する感情がおき迷うことを意味する言葉として用いられています。
「葛藤」をほかの言葉で置き換えると、「摩擦」や「不協和音」、「衝突」、「亀裂」、「イライラ」、「ストレス」などとなります。
「葛藤」の使い方
「葛藤」の場合、「葛藤する」や「葛藤を続ける」、「葛藤を生じる」、「葛藤に苦しむ」といった使い方のほか、「親子の葛藤」や「心の葛藤」といった言葉もあります。
「苦悩」と「葛藤」の違い
同じ悩む行為でも、その中身が異なる「苦悩」と「葛藤」。
「苦悩」の場合は、なにか問題にぶつかった際、解決策が見いだせず思い悩み苦しむことを意味する言葉です。
一方、「葛藤」は、自分の心の中で相反することが起こり、それに対し迷い悩むことを意味します。
そのため、同じ悩みでも根本的に「苦悩」と「葛藤」では、その中身が異なります。
「苦悩」の例文
・『苦悩の末、私は将来に向け一歩前に進むことにしました。』
・『事業が上手くいっていない父は、苦悩の色が濃くなってきていて心配です。』
・『苦悩の表情を浮かべる夫の姿を見るのがつらいです。』
・『実験データが思い通りに出ず、苦悩の日々が続いています。』
「葛藤」の例文
・『親の希望通りの大学に進学するべきか、自分で選んだ大学に進学するべきか、葛藤しています。』
・『今の仕事を続けるのか、仕事を辞め、彼の転勤についていくのかで葛藤しているところです。』
・『不登校の息子は息子なりに、心の中で葛藤している最中だと思います。』
・『根深い親子の葛藤をどうにか解決したいと思っています。』
まとめ
以上のような違いがある「苦悩」と「葛藤」。
「苦悩」は、なにか困難が生じた際に悩んだり苦しんだりすることで、「葛藤」の場合は、心の中で相反するものに対し悩んだり迷ったりする際に用いられる言葉となります。