この記事では、「蒸留水」と「ミネラルウォーター」の違いを分かりやすく説明していきます。
「蒸留水」とは?
蒸留をした水のことです。
蒸留とは、液体を加熱あるいは減圧して蒸発させ、その蒸気を冷やして再び液体にすることです。
精油の多くは蒸留によって得られています。
まず原料となる植物を採取します。
これを専用の容器に入れて、下から水蒸気をあてます。
すると、植物中に含まれる精油成分が遊離し、水蒸気とともに上昇をします。
これを冷却管を通して採取すると、水と精油を得ることができます。
水よりも精油の方が軽いので、水の上に精油が集まります。
これは「水蒸気蒸留法」と呼ばれています。
水の中には不純物が混ざっています。
「蒸留水」の場合は、加熱や減圧などして水を沸騰させると、水蒸気が発生をしても、不純物は水蒸気と共に上昇することはなく、水と不純物が分離された状態になります。
もとの水から得られた水蒸気は冷却をすると液体の水に戻ります。
こうして得られた水は溶解物を含まず、無色透明・無味無臭です。
この水は、医療機関、実験器具の洗浄、飲料水などに用いられています。
「蒸留水」の使い方
蒸留によって得られた水を指して使用する言葉です。
「ミネラルウォーター」とは?
農林水産省では「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」を制定し、ミネラルウォーター類を4つに分類しています。
「ミネラルウォーター」はその中の一種です。
特定の水源から採取されたミネラルを含む地下水で濾過・沈殿・加熱処理、その他にオゾン殺菌・紫外線殺菌・ミネラル分調整などを行ったものをいいます。
水の中に含まれるミネラル分の量によって、硬水・軟水という分類の仕方がありますが、「ミネラルウォーター」は硬水、軟水、どちらのものもあります。
ミネラルの量による分類ではありません。
水は特定の水源から採取されます。
たとえば、南アルプスや阿蘇などです。
この水にはミネラル分が含まれています。
採水した水をそのまま提供するのではなく、加熱処理などが行われます。
加熱殺菌していないものは、この名で呼びません。
「ミネラルウォーター」の使い方
特定の水源から採取されてミネラルを含む水で、ろ過・沈殿・加熱処理などを行ったものを指して使用する言葉です。
「蒸留水」と「ミネラルウォーター」の違い
どちらの言葉も水を指しているのですが、同じものではありません。
前者は蒸留によって得られるものです。
溶解物を含んでいません。
後者は蒸留はしておらず、ミネラル分を含んでいます。
つまり、溶解物を含んでいるということです。
「蒸留水」の例文
・『蒸留水を作る』
・『蒸留水で実験器具を洗浄する』
「ミネラルウォーター」の例文
・『2Lペットボトル入りのミネラルウォーター』
・『ミネラルウォーターを通販で購入する』
まとめ
2つの言葉は水を指しているのですが、その性質に違いがあります。