「行かず後家」
行かず後家というのは「いかずごけ」と読み、適齢期を過ぎても結婚しない女性を嘲笑する表現になります。
漢字は知らなかったけれどこの言葉自体ならば知っているという人もいるのではないでしょうか。
これは日本語の俗語です。
「行かず後家」の意味
後家とは夫と死別し、そのまま再婚をすることなく独身のままでいる女性のことを指しています。
つまり、行かず後家というのはいくつになっても未亡人のように結婚しない女性を指している言葉になります。
「行かず」そのものが適齢期を過ぎても結婚しない女性を探していますが、そこに「後家」をつけることによってさらなる嫌味になります。
ただしこの言葉には地域性もあり、関西の中には婚約中に死別してしまい、再婚しない女性を「行かず後家」、単に何歳になっても結婚しない女性をあざ笑うときには「行かず」というように、言葉を使い分けている地域もあります。
「行かず後家」の言葉の使い方
この言葉は江戸時代から日本に存在していました。
行かず後家という表現は女性を嘲笑する言葉ですので、使い方には注意する必要があります。
放送禁止用語などというほど気をつけなければいけない単語というわけではありませんが、少なからず失礼な意味になりますので日常的に使う表現にはなりません。
「行かず後家」を使った例文・短文(解釈)
それならば、行かず後家という言葉を使うと一体どのような文章になるのでしょうか。
ここでは行かず後家という表現を使った例文をいくつか紹介します。
「行かず後家」の例文1
「最近は行かず後家という表現も全然使わなくなったね」
近年は差別用語等に関する規制が厳しくなり、相手をあざ笑う意味を持つ行かず後家という表現もあまり使わなくなりました。
しかし、そのような差別用語がまだ普通に使われていた時代には行かず後家という表現も今より使われており、今ほどの抵抗がなかったと言われています。
最近では相手を傷つける可能性がある表現に関しては特に規制が厳しくなりましたので、このような言葉を使うときには注意が必要です。
「行かず後家」の例文2
「女性は結婚するものだと思われていた時代には行かず後家という表現が使われていたけれど最近は結婚しないという選択をする女性も多くなったから、あまり使われないんじゃないかな」
最近は行かず後家という表現があまり使われなくなったという背景には、かつては女性は結婚するものだという認識が強かったからということも挙げられます。
昔は大人になった女性は仕事をするのではなく、家庭を守ることこそ大切だと考えられていました。
しかし最近では女性の進学率が増え、女性も社会で働くようになりましたよね。
結婚しないという選択肢を持つ女性も増えたのです。
「行かず後家」の例文3
「あの家の娘さんは行かず後家で、いつまでたっても結婚しないね」
近所の中にも、全然結婚することなく、いつまでたっても両親と一緒に生活をしているというような女性を見かけた場合、そのような女性のことを行かず後家と呼ぶことができます。
もっとも、最近では女性の結婚適齢期が30代と言われており、30後半で結婚する人もいますので、たとえ女性が30後半になっていたからといって行かず後家と言えるかはわかりません。
しかし、40代や50代になっても結婚したことがなく、そのまま独身でいる女性であったが近所から行かず後家と言われる可能性があります。
「行かず後家」の例文4
「結婚しない女性をあざ笑う行かず後家という表現はあるのに、どうして結婚しない男性をあざ笑う表現は無いんだろう」
行かず後家というのはあくまでも結婚しない女性を指しています。
そのような女性をあざ笑う表現がある一方で、結婚しない男性をあざ笑う表現は存在しません。
このようなところから日本は男性優位社会であるということがわかります。
また、江戸時代では縁談等があった場合、断るのは男性側であり、女性から縁談を断るという事はありませんでした。
そして子供が産めないような体の女性も結婚できなかったと言われています。