この記事では、ちょっと不思議な「表六玉」の意味を分かりやすく説明していきます。
「表六玉」とは?意味
「表六玉」の読みは「ひょうろくだま」で、「間抜けな人を罵る言葉で、あほ・ばか・まぬけと同じような意味の言葉」です。
「表六玉」の概要
「表六玉」は三文字熟語ですが、それを構成する漢字から、意味を推察することが難しい言葉です。
この言葉は、その由来を知らないと意味が理解できない言葉であり、しかもその由来には3つの説があるのです。
以下にその3つの説の概要を順次説明します。
一つ目は、亀を由来とする説です。
「表六玉」の「表六」とは亀の四本の手足と、頭と尻尾を加えた六つを表しているとされています。
亀はご存知の通り、危険を察知すると身を守るために、これらのむ六つを甲羅に隠します。
しかし希に、甲羅に隠さない亀もいるようで、そんな亀を間抜けと揶揄したのが由来だと言う説です。
二つ目は兵六と言う名の狩人から来ていると言う説です。
この兵六は傷を負った熊を仕留めたのですが、そのことを後悔し、住んでいた村を去りました。
この逸話から「どこに行ったか分からない人」を「兵六玉」と称するようになり、これが転じて「何を考えているのか分からない人」を指すようになったと言う説です。
三つ目が、花火が語源だと言う説です。
花火はサイズの小さなものを「瓢六」と呼び、最も火薬の量が多くて立派な花火となるサイズを「瓢一」と呼んでおり、この「瓢六玉」がつまらないと揶揄したことが転じて「表六玉」の言葉が誕生したと言う説です。
何となく、一番目の亀の説が、意味にもかなっており、説得力があるようにも思えます。
いずれにしても、「表六玉」はこうした由来から来た言葉であり、構成している漢字から意味をうかがい知ることのできない言葉と言えます。
また、この「表六玉」の言葉は、相手を「まぬけ」だと、罵る言葉なので、使用には十分な注意が必要です。
「表六玉」の言葉の使い方や使われ方
「表六玉」の言葉は以下の例文のように使われます。
・『彼は何度言われても、同じ間違いを繰り返すため、上司はある日、彼に向って思わず、「この表六玉が!」と罵りました』
・『皆は彼のことを表六玉だと称していますが、本当は彼は物おじしない、度胸の据わった男だと、私には思えます』
・『表六玉と親方に罵られ続けていた弟子が、いつしか弟子の中で最も優秀な職人に成長しました』
・『彼に表六玉の言葉を浴びせて罵っても、その言葉の意味さえ分からず、全く堪えません』
「表六玉」の類語や言い換え
「表六玉」の類語としては、「ぼんくら」や「ぬけ作」や「空(うつ)け者」や「たわけ」や「あほ」などを、挙げることが出来ます。
まとめ
「表六玉」の読みは「ひょうろくだま」で、「間抜けな人を罵る言葉で、あほやばかと同じような意味の言葉」です。
この奇妙な言葉は、由来を知らなければ、構成する漢字から推察することが出来ない言葉と言えます。