「補償」と「補填」はいずれも、補うと言う文字を含む単語です。
特に「補償」は色々なシーンで目にしますが、「補填」はややマイナーな存在。
このため、両者の明確な違いは、把握していない方も多いかもしれません。
この記事では、「補償」と「補填」の違いを分かりやすく説明していきます。
「補償」とは?
補うは文字通り、足りなくなった分を埋め合わせることです。
償うは悪事を働いた時に、お詫びをして許してもらう他にも、被害や損害を埋めわせると言う意味も含みます。
このため、「補償」は色々なシーンで使われるようになりました。
地震などで被害を受けた時は「災害補償」ですし、就業先から不当な扱いを受けた場合は「会社補償」があります。
「補償」の使い方
「補償」は公的機関の給付金や、銀行・証券・保険会社の「損失補償」として使われるケースが多いです。
いずれも、国民や契約当事者が何らかの損失を被った時に、その分を埋め合わせることを目的とします。
また、相手にけがをさせた時に、治療代を「補償」するのも、目じゃなーな使い方でしょう。
「補填」とは?
填(てん)は、単純に穴をふさぐ、埋め合わせをすると言う意味となります。
かなり広範囲で使われており、金銭の他に物資や人材も、不足すると「補填」の対象になるのです。
「補填」の使い方
犯罪や災害などに関係なく、穴が開いたり不足が生じたりする場合に使われます。
例えば、国家予算が不足した時に、別の予算をあてがうことが「補填」です。
軍事的に兵士が足りなくなり、民兵や農兵を従軍させるような場合も「補填」と呼ばれます。
後は、歯科の治療で不足した骨を補うために「補填剤」が使われるのも一例です。
「補償」と「補填」の違い
「補償」と「補填」は、穴や不足が生じた原因を考えるか、そうでないかで決まります。
まず「補償」の方は、何らかの不正行為や災害などにより、受けた被害を回復させるのが目的です。
他方の「補填」は、そうではありません。
作為不作為を問わず、また善悪も関係なしに、足りない分を補う時に使います。
「補填」には「償う」と言う意味合いがないためです。
つまり、前後関係は考えず、モノやカネの不足自体にフォーカスするのが、「補填」と言えるでしょう。
また、その行為を実施する立場にも、違いがあるので要チェックです。
基本的に「補償」は被害者に対し、加害者かその他の者が行います。
例えば、自身で自身に「金銭補償」をするのは、考えにくいでしょう。
これに対して、「補填」は、誰がやっても構いません。
例えば闘病資金が不足している時、自分で貯金を切り崩してあてがうのも「補填」ですし、給付金を支給してもらうのも「補填」です。
まとめ
「補償」と「補填」の違いを紹介してきました。
前者は犯罪や災害などで受けた被害を元に戻すことを考えます。
これに対して「補填」は前後の事実は関係なく、不足している資金や人材、物資に焦点を合わせるのが特徴です。