「親和性」
この親和性は、主に理化学の世界で使われていた用語ですが、最近ではIT(コンピュータ関連)分野でも使われるようになりました。
その為、一部ではIT用語として扱われていることもあります。
理化学とコンピュータでは、全く分野が違うと思われるかも知れませんが、この言葉が共通して使われるように、実は結構似ている部分もあるのです。
「親和性」の意味
親和性とは、理化学の世界では、物質同士の結合性のよさを表す為に使う言葉です。
Aという物質が、他のBという物質と相性がいい(拒否反応が出ない、少ない)場合に、「これらの物質同士は親和性がある」と使います。
そして、コンピュータの世界でも同様に、OSやソフトの「相性」という意味で使われます。
「このソフトはあのOSと非常に親和性が高い」と言えば、そのOS自体がもつ機能までうまく制御できたり、滅多なことでフリーズしてしまうこともないようなソフトのことになります。
「親和性」の英語と解釈
親和性をそのまま英語にすると、“affinity”という言葉が当てはまります。
理化学の世界では、英語の論文などでもこの“affinity”が親和性という意味で使われており、完全な英語表現だと考えて構いません。
コンピュータ分野で使う時も、その“affinity”で構いませんが、場合によっては“compatible”の方が適した表現になります。
この“compatible”(コンパチブル)は「互換性」という意味で、日本語のように使われることも多いです。
ただし、親和性と互換性は似て非なるもので、相性のよさを互換性がよいとは言いません。
その為、うまく使い分ける必要があると言えるでしょう。
「親和性」の言葉の使い方
親和性は、理化学では物質同士の結合性に、コンピュータ分野では主にソフト同士の相性に対して使う言葉です。
コンピュータの方ではこの親和性とは言わず、単に「相性」と使うことの方が多いですが、遭えて「親和性」という言葉を使うことで、そのことが強調できます。
ただし、使い過ぎると逆効果になる場合もあるので、普通に相性がよいと思った程度では使わずに、思っていたより抜群にそれがよいという時だけに留めておくことをおすすめします。
「親和性」を使った例文・解釈
親和性を使った例文です。
理化学でのケースと、コンピュータ分野で使っている両方を挙げていきます。
「親和性」の例文1
「研究によって、この物質は色々な物質との親和性があることが分かった」
新和性「ある」と使えば、それが「高い」という意味になります。
逆に、「親和性が低い」という表現はまず使うことがなく、高い場合にのみ使う言葉だと考えておいていいでしょう。
理化学の世界では、この親和性が高い物質同士を結合させて、色々な用途に役立てることができないかという研究が盛んに行われています。
「親和性」の例文2
「親和性が高いと思われていたが、実はそれほどでもなさそうだ」
物質同士の親和性は、一度や二度の実験程度では分からないものです。
特に薬品の開発においては、しつこいほどにこれを検証する必要があり、この例文のように、後からそうでもなさそうだと分かることも少なくありません。
「親和性」の例文3
「OSとの親和性が高いフリーソフトは、そんなにあるものではない」
フリーソフトは文字通り、無料で利用できるソフトです。
中には市販ソフトも顔負けの性能をもつものも見られますが、大抵は個人が趣味で作ったものの為、使用中の突然のフリーズや、場合によってはOSほどハングアップしてしまうようなことまであります。
どれだけ性能が高くても、OS上で安定して動作しないことには安全に利用できません。
その点がフリーソフトには足りないことが多いと言っています。
安定した動作が求められる市販ソフトでは、このOSとの親和性が一番大切だと考えられているのは言うまでもありません。
「親和性」の例文4
「確かに動くはずなのに、どうして親和性が確保できないのか分からない」
「親和性の確保」という表現で、安定した動作のことを表しています。
コンピュータの世界では、理論上は問題なく動くはずなのに、動かない、安定しないということも少なくありません。
特にOSとの親和性は、OSの内部の仕様が完全に公開されている訳ではないので、細かい部分については手探りで1つ1つ探求していくしかありません。