「解放」と「開放」の違いとは?分かりやすく徹底解説

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「解放」とは?

解放というのは解き放つこと、呪縛を解いて自由にすること、という意味を持ちます。

差別や抑圧を受けていた人を解放する場合に使われ、歴史的には部落解放運動や奴隷解放宣言などが有名です。

南北戦争の最中、アメリカ合衆国大統領であったエイブラハム・リンカーンは奴隷解放宣言を出し、南軍の地域の奴隷たちを解放しました。

ここから全国的に奴隷解放運動が盛んになります。

このような背景から、よくエイブラハム・リンカーンは奴隷のことを大切にしていた大統領だと言われますが、実際には戦争に北部が負け初めていたため、道徳的な戦略として奴隷解放宣言を出したのだとも言われています。

「開放」とは?

開放とは、開け放す、門などを開けて自由に出入りできるように許可する、という意味になります。

最近は幼稚園などでも開放日が用意されるようになり、その幼稚園に子供を入れたいと思う保護者が自由に見学できる日が設けられています。

「解放」と「開放」の違い

解放というのは解き放つという意味であり、開放は門戸や窓を開け放すことです。

解放の場合は人質を解放するなど、制限から解き放して自由にするという意味がありますが、開放は開け放つという言葉が熟語になったものですので、「窓を開け放す」すなわち「窓を解放する」「開放経済」などと使われる場合もあります。

「解放」の使用例

解放という表現は解き放つという意味で使われます。

「解放」の例文1

「国連の援助により、貧困から解放された」

生活必需品など必要なものがなく、肉体的や精神的に活動力が落ちている状態を貧困といいます。

世界的には貧困に悩む国が多いと言われており、そのために教育が受けられず、きちんとした就職ができない、などといった問題を抱える国もたくさんあります。

国連やNGOがそのような国に積極的に介入することで、貧困から解放できる場合もあります。

「解放」の例文2

「世界各国で女性解放運動が盛り上がった」

どの時代においても、女性は男性よりも劣っていると思われていたことがありました。

日本に限らず女性に参政権などができあがったのは後になってからのことです。

そのような動きから女性を解放するための女性主義、フェミニズムという言葉ができあがりました。

もともとは1792年、イギリスでメアリ・ウルストンクラフトが最初のフェミニズム運動を始めたところから女性解放運動が広まっていったと考えられています。

「解放」の例文3

「部落差別を解消するため部落解放同盟が存在する」

部落解放同盟は、部落差別をなくすために努力を続けているとは団体です。

自らは解放同盟と呼んでいますが、自分たちを同盟と呼ぶ場合もあります。

日本共産党はカギカッコをつけた状態で「解同」と表記しますが、裁判所の中には部解同と表記した場所もあります。

朝日新聞が開放同と表記したこともあります。

「開放」の使用例

開放は開け放つという言葉で使われます。

「開放」の例文1

「窓を開放して空気の入れ替えをしましょう」

部屋の中にきれいな空気を取り込むためには窓を開けることが大切です。

もちろん、雨の日や大気汚染などが問題とされる日は窓を閉めておいた方が良いでしょう。

しかし、天気が良い時は少しでも窓を開けた方がきれいな空気が取り込めて、仕事や勉強などでも効率が上がるでしょう。

「開放」の例文2

「園庭を開放して園児以外の子供たちが遊べるように工夫する」

最近は少子化により、幼稚園などでも定員割れの問題が起こっています。

そのため、多くの子供たちを取り込むために幼稚園に入っていない年齢の子供たちを遊ばせられるような開放日が設けられていることがたくさんあります。

保護者にとっても幼稚園の様子が見られるため、貴重な機会だと考えられます。

「開放」の例文3

「クールビズにより、ドアや窓の開放が推奨されている」

最近は地球温暖化によって気温が上がる日々が続いています。

そんな中、クールビズという環境問題を意識した運動も積極的に行われており、出来る限り冷房は使わない、などと心がける人も多いでしょう。

そのようなときにはドアや窓を解放し、できる限り涼しい空気を取り入れる、という工夫が大切です。

ただし、ただ窓を解放しただけでは熱い空気が入ってきてしまうこともありますので、必要に応じて扇風機などを利用し、風の向きを変えることも大切です。

「解放」の対義語

解放という言葉の対義語には2つあります。

束縛

束縛という言葉は動きや働きの自由に制限を加えることを指します。

束縛の対義語は自由だと考えられる場合もあります。

拘束

拘束は社会および人間の生活などにおいて何かの制約を持つことを指しています。

捕らて行動の自由を奪う、という意味もありますが、行動や判断の自由を制限する、という意味も持ち合わせています。

「開放」の対義語

開放という表現の対義語は閉鎖になります。

これは出入り口を閉ざすことという意味もありますが、組織がその活動や機能を停止することという意味もあり、例えば時期によってはインフルエンザの影響で学級閉鎖などが起こる場合もあります。

経済がうまくいかずに工場が閉鎖になってしまうこともありますね。

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