みなさんは「証憑」と「証拠」という言葉がどのような意味を持っているかご存知でしょうか?
そこでこの記事では、「証憑」と「証拠」の違いを分かりやすく説明していきます。
「証憑」とは?
「証憑」は「しょうひょう」という読み方をします。
この「証憑」は「事実を証明するよりどころ」、あるいは「取引が成立したことを立証するための書類のこと」を指しています。
尚、「書類」という言葉を加えて「証憑書類」と言う場合も多いのですが、企業における会計や取引の記録について正確で、客観的な真実性を担保するための書類として「証憑」があるわけです。
また、企業間の取引に関する書類はは「証拠書類」を言わずに「証憑」と呼ぶことが一般的です。
「証拠」とは?
「証拠」は「しょうこ」という読み方になります。
この「証拠」は「事実や真実を証明するよりどころ」「あかし」「一定の根拠に基づいて事実を証明すること」、あるいは「証明のよりどころとすること」「その材料」「証明の根拠」といったようなことを指しています。
「証憑」と「証拠」の違い
ではここで、「証憑」と「証拠」の違いを見ていくことにしましょう。
どのような違いがあるのでしょうか?「証憑」とは「取引が成立したことを立証するための書類のこと」を指していますが、一方の「証拠」は「事実・真実を証明するよりどころ」「一定の根拠に基づいて事実を証明すること」という意味でした。
このことから「証拠」は事実を証明するものの、書類という形ではないために、「証憑」とは異なることが理解できることと思います。
「証憑」の例文
ではここで「証憑」の例文を見てみることにします。
具体的には以下のようなものが挙げられます。
・『昨年の売上実績に関する証憑を全て整理しておいてくれ。来週早々には社内で内部監査が行われる』
・『どうも、先方がクレームを入れて来たんだが、仕入れ明細の証憑関係を全てチェックしてくれ』
「証憑」の例文を見ていくと、企業業務において社内で適切な事務処理が行われているか、その正当性を客観的に証明するための書類としての役割を果たしていることが理解できます。
「証拠」の例文
次に「証拠」の例文を見てみましょう。
以下のようなものがあります。
・『しっかりと証拠を見せてくれ。そうしないと君の無実を証明することができないぞ』
・『もうあきらめろ。お前は犯人だということは分かっている。全て証拠が揃っているからな』
「証拠」の例文を見ていくとまるで刑事ドラマを見ているような感じですが、ビジネスシーンでも使うことができる言葉であることは言うまでもありません。
まとめ
ここまで「証憑」と「証拠」の意味や違いを説明してきました。
これらの言葉のニュアンスは似ている点もありますが、厳密には異なる解釈となります。
そのために各々の意味を正しく理解して適切な使い分けができるように、ここでしっかりとチェックしておいてください。