この記事では、「買う」と「飼う」の違いを分かりやすく説明していきます。
「買う」とは?
「買う」という動詞は比較的多くの意味で使われる動詞と言えます。
まずは代金を払って自分の所有とすることで、『長年欲しいと思っていた物を買う』や『独占的な販売権を買う』といった使い方があります。
また自分が行った行為により、好ましくない状況が身に降りかかる場合にも『反感を買う結果となっているが、それは誤解に基ずくものです、』の様に、反感や恨みを受ける場合に、「買う」が使われます。
さらに努力や価値を評価する場合にも、『努力を買う』と使いますし、『売られた喧嘩は買う』と言った様に、積極的に引き受ける場合にも使われます。
「飼う」とは?
それに対して仮名では同じ表記の「かう」となる「飼う」は、食べ物を与えて動物を養い育てる意味する言葉です。
『我が家ではペットとして犬を飼うことにした。』と言った使い方がされます。
「買う」と「飼う」の違い
1,2項で記載した様に、「買う」と「飼う」は、全く違った言葉です。
しかし、ひらがな表記では「かう」で同じであり、 「買う」と「飼う」は所謂同音異義語です。
日本語には、こうした同音異義語がいくつもあり、文章で書けば漢字が異なるために、意味を取り違える事はありませんが、話しをしていると誤解しやすいと言えます。
同音異義語を聞いた場合には、前後の文脈から多くは理解できるものですが、それでも例えば『ペットとして猫をかう』との話が出た時には、猫を「買う」のか「飼う」のか区別がつきにくい事もあります。
この場合には「買う」はアクセントが後ろにあり、上がり気味の発音になり、「飼う」の方は、アクセントが前にあり、語尾が下がり気味になる点で聞き分ける事が必要です。
現在では「買う」と「飼う」意味が違い、同音異義語となっていますが、「飼う」の語源も「買う」と同じだと考えられています。
「かう」は昔は「かふ」は、元は異なるものを交換する、入れ違える事を指す言葉として使われていたのです。
例えばコメをお金と交換して入手する事が「買う」であり、鷹を「飼う」事で、その交換として狩りを鷹に手伝わせ、獲物を手に入れる事として同義として使われていたのです。
しかし動物を「飼う」事が、必ずしも対価と交換する事を目的としない事が増えた事で、漢字の使用のみが分化して行ったと考えられています。
まとめ
「買う」は、代金を払って自分の所有とする事や、自分が行った行為により、好ましくない状況が身に降りかかる意味や、努力や価値を評価する場合に使用される動詞です。
それに対して「飼う」は、食べ物を与えて動物を養い育てる意味する言葉です。
2つの言葉の起源は同じと考えられていますが、現在の使い方は異なり、いわゆる同音異義語です。
文章表記では漢字の違いにより、意味を取り違える事はありませんが、会話においては紛らわしく、前後の文脈やアクセントの違いによって聞き分ける必要があると言えます。