この記事では、「貸し渋り」と「貸し剥がし」の違いを分かりやすく説明していきます。
「貸し渋り」とは?
金融機関などでよく用いられる言葉となる「貸し渋り」。
意味は、金融機関などが融資を行う際、いつも以上に慎重に行う、消極的に行う、ことを意味します。
いわば、どれだけお金を貸してほしいとお願いしても、金融機関などがお金を貸してくれない状況を意味します。
金融機関などの財務状況が悪化した際や世の中が不景気になることで、このような「貸し渋り」が発生します。
世の中が不景気になるということは、融資先の返済が滞ってしまう可能性が高くなります。
そのような貸したお金の回収ができなくなると金融機関などの経営も成り立ちません。
そのため、金融機関などは世の中の状況に合わせ、「貸し渋り」を行います。
また、世の中が不景気になるということは、融資を希望する側の経営状態が芳しくない場合が多くなります。
そうなると、融資を受ける際の審査もクリアすることが難しくなり、結果、「貸し渋り」となってしまいます。
「貸し剥がし」とは?
金融機関などでよく用いられる言葉となる「貸し?がし」。
意味は、今現在、融資を行っている先に対し貸したお金を積極的に回収することとなります。
融資先に返済期日よりも早く返済するよう求めることとなり、なかには、一括返済を求めることもあります。
なぜ、このような、「貸し?がし」を金融機関などが行うのかというと、世の中が不景気となり、金融機関などが自己資金率を上げる必要があるときや、不景気によって融資先の経営状態が悪化し、その結果、倒産する可能性があると判断されたとき、回収できなくなる前に回収するといった考えから「貸し?がし」を行うこととなります。
この行為は、融資を受けているほうから言えば納得できない行為です。
そのため、金融機関などによる「貸し?がし」においては、要求に必ず応じる必要はありません。
ただし、金融機関などが何か条件などを提示してきた際は、その条件をのみ「貸し?がし」を受け入れることもあります。
「貸し渋り」と「貸し剥がし」の違い
同じ金融機関などが行う行為ですが、その内容は全く異なります。
「貸し渋り」は、金融機関などがお金を貸すことを嫌がる行為であり、融資を希望しても、なかなか、融資を受けることができない状況を意味します。
一方、「貸し?がし」は、決められた返済期間で融資を受け返済しているのも関わらず、突然、金融機関などの理由だけで、急に返済日よりも早く返済するよう求められる、一括返済を求められるものとなり、「貸し?がし」の場合は、不当な要求とも言えることから、必ず応じる必要などありません。
まとめ
同じ金融機関などが行う行為であっても、以上のような違いがある「貸し渋り」と「貸し?がし」となります。
融資を受ける前のことか、受けた後のことかといった違いも大きな違いです。