この記事では、「超過」と「過度」の違いを分かりやすく説明していきます。
「超過」とは?
「超過」には2つの意味があります。
ひとつは、時間や数量が決められた枠をこえることです。
時間や数量についての意味で、程度のことではありません。
ボクシングは体重によって階級が決められます。
たとえば、フライ級は50. 80kgまで、その上の階級のスーパー・フライ級は52. 16キロまでです。
ある選手は前日の体重測定では50. 78kgでフライ級だったのですが、次の日には50. 81kgになっていました。
わずか0. 01kgですが、フライ級だとされる体重を超えています。
決められた枠を超えており、これを「体重超過」といいます。
もう一つの意味は、他をこえて先に出ることです。
「超過」の使い方
決められた枠を超えるという意味で使用をします。
時間や数量について使う言葉です。
「過度」とは?
程度が一定の枠を超えることです。
程度についてを意味しています。
筋トレのことで考えてみます。
筋肉に負荷をかける運動を行うと筋肉が傷つき、それを回復させようとするときに、以前よりも筋肉が肥大します。
大きな負荷をかけたり、たくさんトレーニングをするほど、筋肉が肥大しそうですが、トレーニングには程度というものがあります。
ある人にとっては、プッシュアップという腕の筋肉を鍛えるトレーニングを10回1セットとし、3セット行うのが適当な回数だったとします。
それにもかかわらず、回数を多くし、さらに腕の筋肉を鍛えるトレーニングであるラテラルハンドステップも行っていたら、やりすぎだといえるでしょう。
自分にあった程度を超えています。
これは、「過度なトレーニング」といえます。
疲労感などの程度についてもいうことができます。
毎日残業続き、睡眠時間は4時間以下、仕事中は休憩時間がほぼなし、このような生活を続けていると、疲労がたまってくることでしょう。
耐えられるほどの程度を超えてしまいます。
これを「過度の疲労」といいます。
「過度」の使い方
程度がある枠を超えることを指して使用する言葉です。
数量や時間についてはいいません。
「超過」と「過度」の違い
どちらの言葉にも一定の枠を超えるという意味が含まれていますが、何の枠なのかという点に違いがあります。
「超過」は数量や時間についてを意味し、「過度」は程度についてを意味しています。
「過度の飲酒」という場合は、飲んだ酒の杯の数が多いという意味ではなく、飲む程度を指しています。
「超過」の例文
・『重量が超過する』
・『超過労働』
・『基準を超過している』
・『速度超過』
「過度」の例文
・『過度の飲酒は慎んでください』
・『過度なダイエットを繰り返す』
・『他人に過度に依存する』
・『過度な糖分摂取』
まとめ
一定の枠を超えるという意味を持つ2つの言葉ですが、同じことではなく、一方は数量や時間が超えること、もう一方は程度が超えることを意味しています。