この記事では、「進捗」と「進展」の違いを分かりやすく説明していきます。
「進捗」とは?
物事が滞りなく、どんどん進むことです。
「進」はすすむ、すすめる、「捗」ははかどるという意味を持つ漢字です。
勉強のことで考えてみます。
自宅学習で、今日は英語の単語の暗記、英語の長文読解、数学の問題集、漢字の書き取りをやると決めました。
まずは長文読解の問題を解きました。
数学の問題集も躓くことなく解くことができました。
漢字の書き取りも終わりました。
英語の単語暗記は、目標としていたものを覚えることができました。
こういった状態は、滞りなくどんどん進んでいるといえるでしょう。
こういった、はかどることを「進捗」といいます。
「進捗」の使い方
「進捗状況」の使い方をすることが多くあります。
物事の進み具合といった意味です。
「進展」とは?
時間の経過とともに物事が変化をして、新しい状況・状態になることです。
新しい状況・状態が、好ましいものなのか、好ましくないものなのかは、この言葉の意味には含まれていません。
また、文化や技術などが進んで、前よりも一段上の状態になるという意味もあります。
あるサッカー選手とチームが、移籍について話し合いをしていたとします。
選手が希望する条件とチームが提示する条件とが一致しなかったため、これまで話し合いが進んでいませんでした。
しかし、何度か話し合いをした結果、折り合いをつけることができ、移籍についての話しがまとまりました。
今まで話が進んでいなかった状態が、移籍が決まったという新たな状態になったのです。
これは「話し合いに進展がみられた」ということができます。
結婚を前提に長年付き合っている人がいたとします。
つき合って、もう何年にもなります。
しかし、結婚話はまったくでてきません。
この場合は「2人の関係に進展はない」といいます。
「進展」の使い方
物事が新たな状況・状態になることを指して使用します。
新しい状態などが、よいものか悪いものかは関係なく使うことが可能です。
「進捗」と「進展」の違い
どちらの言葉にも、すすむという意味を持つ漢字である「進」が使用されている通り、何かが進むことという意味合いがあります。
「進捗」は、物事が進むことです。
滞りなく進むことをいいます。
「進展」は、新たな局面を迎えることです。
進む速度は関係ありません。
「進捗」の例文
・『進捗に応じて情報を提供する』
・『進捗状況を伝えてください』
・『プロジェクトが進捗する』
・『進捗具合によって今後の方針が変わります』
「進展」の例文
・『あの人との関係に進展があった』
・『交渉が進展する』
・『大きく進展した』
・『事態の進展はみられなかった』
まとめ
進むという意味合いを持つ2つの言葉ですが、それぞれの言葉が持つ意味は異なり、一方は滞りなく進むこと、もう一方は新しい状況や状態に進むことを意味しています。