漫画や小説を読んでいると、小さな言葉の違いが気になることもあります。
この記事では、「進歩」と「前進」の違いを分かりやすく説明していきます。
瓜二つの言葉を正しく仕訳して、言葉の達人を目指していきましょう。
「進歩」とは?
進歩とは目の前にある課題が、プラスに転じることです。
これまでよりも確実に、前に進んでいるときに用います。
似たような意味の言葉に、発展や発達があります。
力がぐんぐんと伸びて、未来に向かってジャンプしていく。
そのような力強いイメージの言葉です。
進歩の「進」には、前にすすむという意味のほかに、押し上げるという「拡大」の意味もあります。
そのため「進歩」にはこれまでのステージとは異なる、次のステージに進んだという前向きな内容も込められています。
具体例をあげると、科学技術の進歩・医療の進歩・IT技術の進歩・人類の進歩などがあります。
これまで研究されてきた分野が、さらに力強く前にすすんだときに用いられます。
「前進」とは?
進歩とよく間違えやすいのが「前進」です。
前進とは物事が良い方に転がるということ。
または乗り物や人が、前に動くことをあらわしています。
一般的には「前進する」というと、以前よりも状況が良くなった場合に用いることが多いです。
これまでずっと頑張ってきた人に、エールや栄誉の気持ちを込めて「前進」と表現することもあります。
前進の「前」は、ただ単に目の前にひろがる景色をあらわすこともありますが、目的や目標などの大きなテーマを含むこともあります。
そのため「前進」という熟語には、目標に向かって力強く前に進むというニュアンスが含まれています。
たとえばスポーツの世界で「今季10勝目へ前進した」というと、苦労が報われて10勝目という目標を勝ち取ることができたという意味になります。
グッドニュースを伝えるとき、よく耳にする熟語です。
「進歩」と「前進」の違い
どちらも同じような意味がある熟語ですが、少しずつ中身も異なっています。
「進歩」と「前進」の違いを、分かりやすく解説します。
正しい使い分けを知って、実生活に役立てていきましょう。
・学術では「進歩」
進歩も前進も、前に向かって進むという良い意味があります。
どちらも同じような意味合いがあるのですが、より学問や研究の色あいが濃いのが「進歩」です。
たとえば医療の進歩とはいいますが、医療の前進とはいいません。
前進には「歩いて前にすすむ」という意味もあるので、科学や医療・人類などのより大きな学問のことを指す場合は「進歩」の熟語をえらびます。
一方で「前進」は個人の活躍などを、褒めたり称えたりするときに用いる言葉です。
不特定多数の集団や研究について賞賛するときは「進歩」、個人の活躍を取り上げるときは「前進」と覚えておくと良いでしょう。
まとめ
「進歩」と「前進」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも成長する・前に進むという意味があります。
学術や医療など大きなものに対しては進歩、個人の活躍に対しては前進を用います。
語彙力をアップさせて、自信をつけていきましょう。