「過程」と「課程」の違いとは?分かりやすく解釈

「過程」と「課程」の違い違い

日本語は同じ読みでありながら意味が異なる同音異義語が特に多い言語です。

読みが同じだけならまだしも意味合いまで似ているとなると間違えて使ってしまう可能性が跳ね上がります。

同音異義語かつ意味も似ている言葉として「過程」「課程」があります。

混同されることもあるこのふたつは具体的にどのような意味を持っているのでしょうか。

今回は、「過程」「課程」の違いについて解説します。

「過程」とは?

「過程」とは「物事がすすんでいく途中にたどる道のり」を指す言葉です。

どんな物事にもスタートがあれば必ずゴールがあります。

「過程」とはスタートから始まりゴールまで辿り着くまでの途中経過のことです。

どのような方法を使ったか、どのような選択肢が選ばれたのかによって決まるゴールまでの道のりが「過程」であり同じようになることもあれば人によってばらばらになることもあります。

「過程」は途中経過そのものを指す言葉なので必ずしもゴールしている必要はありません。

スタートからゴールをめざす途中であってもそれまでにたどってきた道筋が「過程」となります。


「過程」の使い方

・ビル建設の過程として地盤整備は重要な意味を持つ。

・複雑な問題だったので計算の過程をわかりやすく解説する。

・子どもの成長過程において様々な刺激を体験させてやることが健全な精神を育むことにつながる。

・結果的には十分満足だが過程を見ると事前の想定からは大幅にずれてしまった。


「課程」とは?

「課程」とは「一定期間内に学ぶために用意される体系立てられた学習内容」のことです。

「課程」は主に学問や技術など誰かに教わることに対して使われる言葉です。

教育や授業を効率良く行うには体系立てと段階分けが重要です。

必要な内容をどの順番でどの程度の量教育するか、その段階や流れのことを「課程」と表現します。

「課程」にそって学ぶことで事前に想定された必要な知識や知恵が身につき当初の目標である学問や技術の習得が実現します。

効率よく学ぶための筋道が「課程」であり先例を参考に効率や学習難易度を考慮して作成されます。

「課程」の使い方

・教育課程に現場実習を盛り込む。

・優秀な生徒であっても課程にしたがって授業をうけることには意味がある。

・通信制高校にも出席が必須の課程がある。

・更に深く学びたかったので専門課程への進学を決意する。

「過程」と「課程」の違い

「過程」「課程」の違いは言葉を使う対象にあります。

「過程」は物事が進んでいく途中の道筋という意味でどんな対象にも使える言葉です。

「課程」という言葉は学問や技術などすでに大系立てられているものを学ぶ教育に対してのみ使われます。

「過程」はたどる道のりの指しているだけなので内容や手順はバラバラです。

効率も必ずしも最善ではなく回り道をしたり行き詰まったりすることもあります。

「課程」は教育効率を考えてあらかじめ整備されたものなので基礎的な内容から始まりどんどん内容が高度化、複雑化していくという全体の流れに従い学ぶことで理想的な効率が実現するように設計されています。

まとめ

「過程」「課程」は読みが同じで意味あいにも近しい部分があることから誤用されがちです。

それぞれの本来の意味とふさわしい使い方を知り間違いのないようにしてください。

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