この記事では、「違法」と「不法」の違いを分かりやすく説明していきます。
「違法」とは?
「違法」とは、法律・規定などにそむくことや、その行為を指す言葉です。
法律に違反する事で、その意味は誰しも理解している所でしょう。
『違法駐車』や『違法建築』等の表現で、日常的にもよく使用される言葉と言えます。
「不法」とは?
「不法」とは、法に違反していることや、そのさまを表す言葉です。
この事例としては『不法投棄』や『不法侵入』等で、この言葉も日常的によく使われています。
また「不法」には、道理・道義に背くことや、そのさまと言う意味もあります。
こちらの使用例としては、『不法な要求』等があり、この事例では要求が理不尽である意味で使われています。
「違法」と「不法」の違い
「違法」とは、法律・規定などにそむくことであり、「不法」とは、法に違反していることを指すのですから、2つの言葉はほぼ同義語と言えます。
しかし『違法駐車』や『違法建築』と使用しますが、これらを『不法駐車』や『不法建築』と使う事はありません。
また逆に、『不法投棄』や『不法侵入』と使いますが、これを『違法投棄』や『違法侵入』と使う事はありません。
これは一体どういう使い分けをしているのでしょうか?実は駐車や建築には、違法ではない適法(違法の反対語)の駐車場や建築があり、これではないと言う意味で「違法」の表現を使っているのです。
一方の『不法投棄』や『不法侵入』の投棄や侵入には、基本的に適法な投棄や侵入はありません。
この様に、その行為自身がすでに法律違反である場合に、「不法」を使っているのです。
すなわち、『不法投棄』や『不法侵入』には、「不法」の意味の2項目で示した道理・道義に背くことのニュアンスも含まれているのです。
これがほぼ同義語でありながら、日常的にはっきりと使い分けをされているポイントなのです。
ちなみに「違法」や「不法」に似た言葉に「脱法」と言うのがあります。
こちらは、見かけ上は法律では禁止されていないものの、実質的には禁止に当たるのに法律の穴を突くような行為を言う言葉で、近年社会問題化している『脱法ハーブ』がその典型事例と言えます。
まとめ
「違法」とは、法律・規定などにそむくことであり、「不法」とは、法に違反していることを指すのですから、2つの言葉はほぼ同義語と言えます。
しかし実際には、適法のものがある場合に、適法でないものに「違法」を使用し、適法なものが存在せず、その行為そのものが、そもそも「違法」である場合に「不法」が使われているのです。
この様に「違法」と「不法」は日常使用ではきっちりと使い分けされているのです。
また、「不法」には、法律違反ではないけれど、道理・道義に背くことの意味にも使われますが、「違法」にはこうした意味や使い方はありません。
以上の様に、「違法」と「不法」は、ほぼ同義語ですが、日常的にきっちりと使い分けられている言葉なのです。