「釘をさす」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「釘をさす」とは?意味と使い方

この記事では、「釘をさす」【くぎをさす】の意味や使い方を分かりやすく説明していきます。

「釘をさす」とは?意味

「釘をさす」【くぎをさす】とは、約束を交わした相手が人に話さないようかたく約束するという意味があります。

二人だけの秘密を第三者に軽々しく話さないよう「絶対に言わないで」と相手に念を押し、きつく約束するその行為が相手の行動を押さえ込むように見えることから「釘をさす」と表すようになりました。

このように、相手に対して「言わないで」と念入りに約束する理由には、この人は二人だけの秘密を話してしまいそうだと予測できるところが不安であるため「釘をさす」わけです。


「釘をさす」の概要

日本の木造建築の技術に「木組み」【きぐみ】というものがあり、この工法が「釘をさす」の由来となっています。

木組みとは、木材に切り込みを入れて、「ほぞ」という穴を開けてからその二つを繋ぎ合わせることで釘を使わずに建物を建てる日本古来の工法です。

しかし、より強度を高めるため鎌倉時代より建物には釘を打ち、今の状態をより強固なものにして、問題が起きないようにするという意味で、間違って人に告げ口してしまいそうな人に「釘をさす」と言うようになります。

江戸時代になると「今話したことを人に言わないように」と念を押して忠告しておきたいと思うとき相手にしっかりと「釘をさす」ことで「話してはいけない」と身構えるようになり、軽々と人に話さないようになるのです。


「釘をさす」の言葉の使い方や使われ方

人同士の会話の中で秘密にしておきたいことで第三者に聞かれてはまずい話をしたとき、「人に言ってはだめ」と忠告し、相手が話さないようにするとき「釘をさす」と使います。

しかし、相手の口が軽い人であったり、話しそうな表情しているとき「他の人に言ってしまいそうで危ないな」と感じれば釘をさして念入りに口止めするため「何度も釘をさす」わけです。

反対に、「社員に釘をさしておいて」と人に言いたいことを強く伝えたり、「あれだけ釘をさしておいたのに」と強く忠告しておくときに使えば、自分の気持ちをしっかり伝えておける言葉にもなります。

この言葉の類義語には「警鐘を鳴らす」があり、相手に対して用心して取り掛からないと危険なことが起きるかもしれないし、後からになって問題が起こるかもしれないので、注意して取り掛かった方がいう意味合いがあります。

「釘をさす」を使った例文(使用例)

・『旦那が近所の奥さんと浮気したなんて絶対言わないでとママ友に釘をさす』
・『明日の会議では重要なプレゼンを君に任せるから、早めに出社して練習しておけと社員に釘をさす』
・『君は人前に出るとひどく緊張して話せなくなるので席に座っているよう部下に釘をさす』
浮気していたことが人の耳に入ってしまったとき、口の軽いママ友に言えばあっという間に知れ渡ってしまう危険性があるため、釘をさして言わないように頼むわけです。

職場では、重要な仕事を任されたとき、しっかりその任務を果たせるよう気持ちに余裕を持たせるため早くに出社して練習することが大事と念入りに伝えたいときにも釘をさします。

反対に、使えないと感じる人に対しては動かないようにと何度も「釘をさす」ことで下手に行動しないように忠告するときにも使える言葉です。

まとめ

事前に「絶対に言わないで」と念入りに話した相手に忠告しておけば、話を聞いた人も簡単に言ってはいけないと思うようになります。

このように、固い約束しておけば簡単に話してしまうようなこともなくなり、お互いにいい関係をいつまでも続けられる間柄となるでしょう。

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