この記事では、「鉱水」と「硬水」の違いを分かりやすく説明していきます。
「鉱水」とは?
「鉱水」には2つの意味があります。
一つは、鉱物質を多く含む水です。
鉱物とは、一般的には無機質結晶質物質を指しています。
ミネラルといわれることもありますが、地質学でいう鉱物は、固体であること、自然に生成されたものであること、無機物であることなどの条件を満たしたものを指しています。
人間の体の中にも、ハイドロロキシアパタイトなどの鉱物が含まれていますが、生物体の中に含まれているものは、地質学が指す鉱物とはわけています。
鉱物には、輝石、角閃石、雲母などさまざまな種類があります。
「鉱水」のもう一つの意味は、鉱山の坑内や製鉱所などからでる、有害なミネラルを含む水です。
水の中に含まれる有害なミネラルのことを、重金属イオンということがあります。
重金属とは比重が大きい金属のことで、金、鉄、銅、鉛などがあります。
こういったものの中で、イオンになるものを重金属イオンといいます。
多量に摂取をすると有害です。
「鉱水」の使い方
鉱物質を含んだ水のことを指して使用をします。
鉱物のことをミネラルともいいます。
ミネラルを含んだ水は体によさそうですが、「鉱水」は重金属イオンを含んだ水の意味があり、体によいものではありません。
「硬水」とは?
カルシウムイオンやマグネシウムイオンを多く含む水です。
1000ml中に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンの量を表したものが硬度です。
WHOの基準では、硬度が120~180mg/l 未満を硬水、180mg/l以上を「非常な硬水」としています。
日本の基準では、硬度が301mg/l以上を「硬水」としています。
水の中に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンは、水が地層を通過するときに溶け込んだものです。
日本の場合は、地下水の滞留時間が短いことや、斜面が急で川の水があっという間に流れてしまうことなどにより、水の中に溶け込むミネラルが少なくなります。
「硬水」の使い方
水の中にマグネシウムやカルシウムを多く含むものを指して使用する言葉です。
「鉱水」と「硬水」の違い
どちらの言葉も「こうすい」と読みは同じですが、意味は違います。
前者は鉱物質を多く含む水です。
鉱物には、石英や雲母などさまざまなものがあります。
有害なものもあります。
後者はカルシウムやマグネシウムなどを多く含むものです。
カルシウムやマグネシウムなどは、体にとって必要なものです。
「鉱水」の例文
・『鉱水を飲まないでください』
・『製鉱所から鉱水が流れ出る』
・『鉱水に含まれる物質を調べる』
・『鉱水を採取する』
「硬水」の例文
・『毎日硬水を飲んでいます』
・『ペットボトル入りの硬水を購入した』
・『硬水を飲み慣れていないので味に違和感を覚えた』
・『硬水で紅茶をいれてみた』
まとめ
読み方が同じですが、それぞれの言葉が指しているものは違います。