「銭闘」とは?意味や言葉の使い方、概要(元ネタ)など

「銭闘」とは?新語・ネット用語

インターネットが始まって以来数々のネットスラングが誕生してきました。

無理やり造られたような造語もあれば思わず唸らされるほどうまい表現もありますが、様子を的確に表しているとして高い評価を受けているスラングに「銭闘」という言葉があります。

この言葉はいったいどんな意味で使われているのでしょうか。

今回は「銭闘」の意味や由来について紹介します。

「銭闘」とは?意味

「銭闘」とは「野球選手が契約更改交渉で年俸を巡りチームと激しく交渉を行うこと」という意味で使われるネットスラングです。


「銭闘」の概要

「銭闘」は文字通り「銭金を理由とする闘い」です。

日本では一般的にスポーツ選手の年俸交渉では金額を全面に押し出すのはあまりよろしくない行為とされています。

プロスポーツ選手として納得のいく金額を要求するのは海外では当たり前ですが、日本ではそもそも金の話を直接的にするのは下品とされている上にスポーツ選手にはある種のアマチュアリズムを求める風潮があることから契約交渉の争点が金額であってもそうとははっきり言わないのがならわしでした。

多くの選手が金銭を全面に出さずチーム環境や起用方法などを交渉の争点に上げる中、一部の選手がはっきりと金銭を求める声をあげたことに対してネット掲示板に集まる野球ファンたちが注目します。

その金銭欲を隠そうとしない姿勢に対し賛美と批判を合わせて誕生した表現が「銭闘」です。

「銭闘」は2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の野球板「なんJ」で誕生したネットスラングです。

誕生当初は「大した成績ではないのに過去の実績や知名度をたてにして高額年俸を要求する」という図々しい選手を揶揄する表現でしたが次第に熱心に年俸交渉を行う選手にも使われるようになり、現在では「金銭を理由に交渉を保留する」ことを指して 「銭闘」と表現しています。

主に野球選手に対して使われる言葉ですがその他のスポーツ選手や芸能人に対して使われることもあります。

「銭闘」に対しての評価はさまざまです。

「スポーツ選手として当然の権利である」という肯定的な評価もあれば「事故に対する過大評価」と厳しい意見もあります。

交渉でどのような要求を出すかは選手の自由です。

金銭を巡る交渉はスポーツニュースで取り上げられる機会が多いこともあって多くの野球ファンにとってはオフシーズンの楽しみになっています。


「銭闘」の言葉の使い方や使われ方

・年俸5倍増の要求とは、さすが銭闘民族だけあって強気だ。

・開口一番年俸への不満を口にし、銭闘の姿勢を隠そうとしない。

・この成績でこの金額を要求するとは銭闘にしても強欲である。

・銭闘するほど働いていないのに、ずいぶんと図々しい。

「銭闘」の類語や言いかえ

・誠意は言葉ではなく金額
2006年、当時中日ドラゴンズ所属だった福留孝介選手が発した言葉です。

野球界屈指の金にこだわる男と呼ばれるにふさわしいこの発言は「銭闘」を見事に表した名フレーズです。

・銭ゲバ
「金に汚く強欲である」という意味の言葉です。

契約交渉でとにかく金に執着する様子をさして使われます。

まとめ

ネットでは広く使われている「銭闘」ですが言葉の意味、音、漢字の三拍子そろった見事なネットスラングです。

このようなうまいネットスラングはまだまだあるので興味を持った方はぜひ調べてみてください。