「閑却」
「閑却」とは、「かんきゃく」と読みます。
意味は、なおざりにすることや、いい加減に放っておくことを表します。
普段の日常生活ではあまり見かけない言葉だと思いますが、小説や文学作品などではしばしば登場してくる言葉なので覚えておくと便利でしょう。
「閑却」の意味
それでは「閑却」の意味について、より詳しくご紹介します。
「閑却」には、物事をいい加減にしておくことや、捨て置くこと、見向きもせずにそのままに放置しておく、という意味があります。
「閑却」という言葉を分解してみると、「閑」という字と「却」という漢字の二つに分けることが出来ます。
この「閑」という語には、「どうでもよい、いい加減」、といった意味があります。
そして「却」という語には、「すっかり〜してしまう」という意味があります。
この二つの言葉が組み合わさって、「すっかりいい加減にしてしまう」という意味になるのですね。
「閑却」の言葉の使い方
こちらの項目では、「閑却」の文法的な使い方についてご紹介します。
「閑却」は名詞なので、そのまま単独で用いることも出来ますし、「〜する」を語尾につけることで、「閑却する」といったサ行変格活用の動詞にすることができます。
「閑却」を使った例文・短文(解釈)
それでは、例文を参考にしながら、実際にどのように「閑却」という言葉が文中で使われているのか見ていきましょう。
「閑却」の例文1
「彼はAさんに仕事を依頼していたが、その分の賃金を払うことを閑却していた」
さて、お金を払うことを「閑却」していた、とは一体どのような意味なのでしょか。
支払いをいい加減にしていた、ということですから、つまり支払いをせずに放置していた、ということですね。
彼はAさんという人物に仕事を頼んでおきながら、その報酬を払わずにいたということです。
非常に困った方ですね。
「閑却」の例文2
「Aはしばらく閑却されていた煙草へ火をつけると、口元に持って行った」
この例文では、「閑却」は煙草を修飾しています。
「閑却されていた煙草」というのはなかなか聞き慣れない表現ですが、意味はわかりましたでしょうか。
しばらく閑却されていた、つまり、しばらく放置されていた煙草、という事です。
恐らくAは煙草を吸っていたが、それを置いて、しばらくそのままにしていたのでしょう。
再び火をつけた、ということから最初につけた火は消えてしまっていたのですね。
再度火をつけて煙草を吸い始めた、という状況です。
「閑却」の例文3
「彼は酒の席では閑却されていたが、実は社長のご子息なのである」
さて、文中で「閑却」がどのような意味合いで使われているのか、徐々に推測がつくようになってきたのではないでしょうか。
ここでは、「閑却」されていたのは「彼」という人物です。
酒の場で人をいい加減に放っておく、つまり、周囲の人間は「彼」を相手にせずに他の者たちだけで盛り上がっていた、ということがわかりますね。
しかし、実はこの悲しくも相手にされなかった男性は、なんと社長の息子であった、というのです。
周りの人間は一体この事実を知っていたのでしょうか、それとも知らなかったのでしょうか。
そこまでは文脈では汲み取ることが出来ませんが、何れにせよ後から問題になってしまいそうな状況ですね。
「閑却」の例文4
「A達はその問題について、大したことではないと閑却していたが、後に彼らのその後の運命を左右する重大な問題だと気がついた」
さて、問題がどのような問題であったのかはわかりませんが、A達の今後の身の振り方に関わる非常に大事な問題があったようです。
しかし、彼らはその問題について取り上げるほどのことではないと考え、「閑却していた」、つまり問題と向き合わずに放置していた、ということですね。