「陰日向なく」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「陰日向なく」

「陰日向なく」「かげひなたなく」と読みます。

「影」と書き間違えない様に注意しましょう。

「陰日向なく」の意味

「陰日向なく」の意味や語源について紹介します。

「陰日向なく」の意味

「陰日向なく」の意味は、「一人の時と人前に出た時で口調や態度が変わることなく、同じ言動ができる様子」です。

人には本音と建て前の部分があります。

職場では全ての人達が満足して働いている訳ではなく、不満を抱えている人も多くいます。

誰かが見ている時だけ一生懸命働き、見えないところでは手を抜いたり、人前ではニコニコと楽しそうにしていても、SNSでは不満を述べたりしたりする人もいるのです。

しかし一方で「お金を稼ぐ為」と割り切ったり「自分の成長の為」と目的意識を持って真面目に働く人もいます。

人前でもそうでなくても質を落とさず、不平や不満を言わない人のことを「陰日向なく働く人」と表すのです。

「陰日向なく」の語源

「陰日向なく」「陰+日向+なく」の3つの言葉に分かれます。

「陰」「物におおわれているところ」「日かげ」の他に「人目につかないところ」という意味があります。

「陰謀」「陰険」などに使われていて「陰日向なく」もこちらの意味になります。

「日向」「日光のあたっている場所」という他に「ものごとの表の部分」という意味があり、「陰日向なく」はこちらの意味になります。

上記の2つの言葉に否定の「ない」が付くことで「人目につかない部分と表の部分がない」という意味になるのです。

「表裏がない」との違い

「陰日向がない」とよく似た意味の言葉に「表裏がない」があります。

「表裏がない」「表」「表面的な態度」ですが、「裏」「心の中」「考え」を表します。

「陰日向ない」「人前とそうでない時の言動」で、「表裏がない」「表面的な態度と内面の気持ち」で、「言動」「気持ちや考え」かという違いがあります。

「陰日向なく」の言葉の使い方

「陰日向なく」の使い方には以下のポイントがあります。

「ある」と「ない」とがある

「陰日向なく」の逆として「陰日向のある」という言葉もあります。

この場合「陰日向なく」の方が良い意味で「陰日向のある」は悪い意味にあります。

否定形の方が良い意味なので迷うかも知れませんが「陰日向」の意味を考えれば分り易くなります。

動詞が続くこと

「陰日向なく」「人前とそうでない時との言動に違いがなく」という意味で、その対象が何であるかは次に動詞を付けて補います。

その際には「働く」など動作の目的を明確にする必要があり、「陰日向なくする」とは言いません。

「陰日向なく」を使った例文・短文(解釈)

「陰日向なく」を使った例文と解釈を紹介します。

「陰日向なく」の例文1

「彼はいつでも陰日向なく働いている」

仕事をする時にはつい上司の目の前だと張り切り、いなくなると手を抜いてしまうものです。

しかし周囲の人がそれを見ていることがあります。

この場合、上司がいてもいなくても同じペースで仕事ができるということを表しています。

但し、仕事が出来るかどうかは分りません。

「陰日向なく」の例文2

「彼女は陰日向なく誰にでも挨拶ができる」

挨拶は社会人の基本ですが、きちんとできない人も多くいます。

自分が好意を持っている人には明るく挨拶をして、興味がない人には憮然としていたり、無視する人もいるのです。

誰にでも態度を変えずに挨拶できる様子を表しています。

「陰日向なく」の例文3

「父の再婚相手は陰日向なく私に接してくれた」

父親が再婚すると、継母は夫が見ている時には子供を可愛がり、夫がいない時には冷たくするというケースがあります。

こちらの場合は継母が我が子同様に育ててくれたことを表しています。

「陰日向なく」の例文4

「彼は人気者なのに誰に対しても陰日向なく親切だ」

周囲に人気があったりモテる人はうぬぼれが強く、人前ではいい顔をしても陰で人をいじめたりすることがあります。

放っておいても人が集まって来るのに、誰にでも態度を変えずに親切にできる人であることを表しています。

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