この記事では、「集約」と「集計」の違いを分かりやすく説明していきます。
「集約」とは?
「集約」とは、物事を整理して、一つにまとめることや概要をまとめる事を意味する言葉です。
使用としては、『アンケート結果を集約する』や『彼の意見の反論ポイントは、この一点に集約される』などの例を上げる事が出来ます。
「集計」とは?
「集計」とは、数を寄せ集めて合計すること。
また、その合計した数を意味する言葉です。
『各事業部の売上高を集計する』と言った使用例を上げる事が出来ます。
「集約」と「集計」の違い
前記の1,2項で記載した様に、「集計」は単純に数字を合計すると言った作業や、その結果を指す言葉ですが、「集約」の方は、意見や結果の概要をまとめる事を指します。
この2つの言葉は、似て非なる言葉と言えます。
その違いを、例を上げて解説したいと思います。
まず一つの事例として、企業が市場分析のために、イエス・ノーを中心として、30問程度の多くの設問のアンケートを数千人の人に取った際の事例を考えます。
アンケート結果は、最初に各設問毎に、イエスが何人でノーが何人と数値を読みます。
これはアンケート結果を設問毎に「集計」する作業だと言えます。
この「集計」だけでも分かる事があるでしょうが、「集計結果」には設問間の答えに矛盾が生じたり、予測していた結果とは大きくかけ離れたケースも少なくないはずです。
こうした疑問や矛盾がない結果なら、アンケートを取らなくても誰しもが予測できると言う事になり、これこそ企業が費用を掛けてアンケートを取る理由でもあるのです。
一般的には、そこに分析を加えて、アンケート結果を理解・解釈し、そのいくつかのポイントをまとめる作業を行います。
これがアンケート結果を「集約」する作業と言え、これによって、企業は次のアクションに繋げる事が出来るのです。
まさに単純に「集計」するのではなく、そこから 分析・まとめを行い「集約」しているのです。
次に会議における例を考えてみましょう。
会議等では議題に対して、まずフリーディスカッションを行います。
そして意見が出尽くした頃に、意見を共通項でくくって、いくつかにまとめて「集約」します。
その「集約」した意見が3案あるとすれば、その3案の中で、最終的にどれを採用するかを決定するために、採決したとすれば、1案が何人~3案が何人と人数を数え、それを「集計」し、「集計」した人数の最も多かった意見を採用すると言った手順を取る事も多くあります。
こうした事例で違いを理解できたものと思います。
まとめ
「集約」とは、物事を整理して、一つにまとめることを指し、「集計」とは、数を寄せ集めて合計すること。
また、その合計した数を意味する言葉です。
すなわち、「集計」は単純に数値を計算する作業であり、「集約」はものごとを整理し、まとめる作業を意味するもので、全く違った言葉なのです。