「顕在」と「潜在」の違いは?分かりやすく解釈

「顕在」と「潜在」の違いは?違い

この記事では、「顕在」「潜在」の違いを分かりやすく説明していきます。

「顕在」とは?

「顕在」【けんざい】とは、中にあるものが表面に出て明確に表されていることです。

漢字の「顕」は、あきらか、はっきり見えていることを意味しています。

「在」は、ものがあることを表します。

これらの漢字を組み合わせた「顕在」は、ものがあり、それが形になってはっきり見えていることを示しています。

「顕在」は、主に人の意識、能力、社会的な問題など、形を持たないものに対して用いられている言葉です。

その中でも、奥底や隅に潜んで表面化されにくいものが浮き彫りになって形にされることを指すときに使われています。

また単独の名詞として使うだけでなく、「顕在化」「顕在リスク」「顕在ニーズ」のようにほかの言葉と組み合わせ、表面化するものの説明に使われることが多いのも特徴です。

対義語は「潜在」です。

類語には、ものの形をはっきり示す意味の「明示」【めいじ】顕現」【けんげん】「具現」【ぐげん】などがあります。

これらは物質の形状がはっきり見えることを指すところが「顕在」とは少し異なります。


「顕在」の例文

・『感染症は、菌に感染しても初めは無症状で、発症してから症状が顕在化することが多い』
・『人は、顕在意識によって何をするかを選んだり体を動かしたりしている』


「潜在」とは?

「潜在」【せんざい】とは、ものが見えないところに隠れていることです。

漢字の「潜」はもぐること、かくれることを意味しており、「あるという意味を持つ「在」と組み合わせることで、ものはあるが隠れていて表面上は見えないさまを表します。

「潜在」「顕在」の対義語で、「顕在」と同様に形を持たない意識、能力、問題といった概念の状態を表すときに用いられます。

また、使い方も「顕在」と同じく「潜在的」「潜在意識」のようにほかの言葉に組み合わせることが一般的です。

類語には「底流」【ていりゅう】、「潜伏」【せんぷく】、「埋没」【まいぼつ】などがあります。

「潜在」とニュアンスと近いのは、見えないが奥底にはあるという意味の「底流」です。

「潜伏」は見つからないようにするため人や物が隠れるさま、「埋没」は埋もれて見えないことを表し、「潜在」からは少しニュアンスが離れます。

「潜在」の例文

・『ネット社会にはさまざまな危険が潜在している』
・『人の意識のほとんどは、表面に出てこない潜在意識だといわれる』

「顕在」と「潜在」の違い

「顕在」「潜在」の違いを、分かりやすく解説します。

「顕在」「潜在」は、形に見えない意識、能力、社会的な問題などのあり方、見え方を形容する言葉です。

「顕在」はものが表面上に浮き彫りにされてはっきり見える様子、逆に「潜在」はものが内面や人の目の届かないところに隠れ、あるのに気づかれない様子を表します。

「顕在」「潜在」は対義語の関係にあり互いに反対の意味を持つので、その違いは明確です。

まとめ

「顕在」「潜在」「~的」「~化」などの形で概念を表していることが多く、表現が抽象的なので意味がつかみにくいかもしれません。

違いは、ものが表面に出ているか、内側に潜んでいるかです。

漢字の意味を確認すると、言葉の意味や違いが理解しやすいでしょう。

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