この記事では、「首題」と「表題」の違いを分かりやすく説明していきます。
「首題」とは?
「首題」には2つの意味があります。
一つは、文書などの始めに書いてある、その文書などの中心になる事柄です。
文書は、いくつもの文で構成されています。
文がいくつか集まると段落ができ、段落がいくつか集まると文書となります。
段落は、一つの思想のまとまりを表すものです。
一段落の中にいくつか文がある場合、それぞれの文が指す内容がまったく関係のないものではなく、それぞれが関係しあっています。
段落の最初に、その段落の中心となる事柄が述べられていることが少なくありません。
この中心となる事柄が題目です。
特に最初に出てくるものをいいます。
「首題」のもう一つの意味は、経典の最初に書かれた語句です。
経典には、般若心経、法華経、阿弥陀経など、さまざまなものがあります。
般若心経は正式には、摩訶般若波羅蜜多心経または般若波羅蜜多心経といい、最初にこの語が書かれています。
その語を「首題」といいます。
「首題」の使い方
文書に関して使われることが多いです。
書かれている事柄について使用をし、映画などには使用しません。
映画は映像であり、文書ではないです。
経典の最初に書かれている語句の意味では、仏教関係の事柄で使用されることがあります。
「表題」とは?
「表題」には2つの意味があります。
一つは、書籍や映画などに書かれている題名です。
書店に行くと数多くの書籍が並んでいます。
それぞれの書籍の表紙には、その書籍の題名が書かれています。
この題名を「表題」といいます。
もし表紙に何も書かれていなければ、何について書かれている書籍なのかわからず、また書籍を探すのにも苦労することでしょう。
題名があるおかげで、こういった苦労がなくなります。
書籍についてだけでなく、映画や音楽などについてもいいます。
もう一つの意味は、講演や演劇の題です。
講演や演劇には、その内容を簡潔に示すタイトルが付けられています。
このタイトルのことをいいます。
「表題」の使い方
書籍、映画、音楽、演劇などに関して使われる言葉です。
「首題」と「表題」の違い
どちらの言葉にも「題」という漢字が使用されています。
「題」には、タイトル、テーマという意味があります。
「首題」は、書籍などの全体にかかわることではなく、文書などの最初にある中心になる事柄です。
作品全体を表すものではありません。
「表題」は、書籍や映画などのタイトルのことです。
タイトルは、その作品全体にかかわることです。
「首題」の例文
・『首題を考える』
・『首題を読む』
・『首題を書く』
「表題」の例文
・『この表題はどうなのだろう?』
・『編集者と本の表題を考える』
・『表題を考えることに1週間費やした』
まとめ
同じ漢字が使用されており、似たような事柄を指しているのですが、それぞれの言葉の持つ意味は異なります。