笑い方を表す言葉として「高笑い」と「爆笑」があります。
どちらも同じ笑う様子を表す表現ですがどんな違いがあるのでしょうか。
今回は、「高笑い」と「爆笑」の違いについて解説します。
「高笑い」とは?
「高笑い」とは、「周囲を気にせず大きな声で笑うこと」という意味の言葉です。
一般的に「高笑い」は「得意げになって笑うこと」という意味で使われますが本来はそのような意味はありません。
得意げになっている人間は周囲を気にする必要がなく自分のことを魅せつけるかのように大きな声で笑うことから転じて「得意気に笑い声を上げる」という意味で使われています。
現在では慣用的な使い方として広く認められている意味合いであり間違いではありません。
もともとの「高笑い」は「声高らかに笑う様子」を指す表現です。
大きな声で周囲に響くように笑うのが「高笑い」であり、普通の笑い声と比べてはっきりとしていて遠くまで届くような並外れた笑いを「高笑い」と表現します。
堂々としていて目立つ笑い方ですがあまり上品ななふるまいではなく、慎むべき下品な笑い方とされています。
得意げになっている人が「高笑い」するのは人目をはばかる必要がないのが理由ですが、本人は意気揚々と笑っていても周囲から見ると下品で粗野なふるまいであることを皮肉るニュアンスも含まれています。
「高笑い」の使い方
・『勝利の報告を聞いて高笑いをあげる』
・『ズバリ読みが的中し高笑いした』
・『彼の高笑いを聞いているとイライラしてくる』
・『人目もはばからずに高笑いする』
「爆笑」とは?
「爆笑」とは、「複数の人間が一斉に笑い声を上げて大きく響くこと」を意味する言葉です。
「爆笑」の本来の意味は「大勢がドカンと笑うこと」を指しています。
現在は「腹がよじれるほど大きく笑うこと」という意味で使われていますが、本来はどんなに大きく激しく笑っていたとしても他に人がおらず一人だけで笑っている場合は「爆笑」という表現は当てはまりません。
現在では「爆笑」の意味にも変化が見られ、必ずしも複数人の笑いのみを指すだけではなく「こらえきれないほど大きく笑うこと」という一人だけの笑いにも使われます。
具体的な基準はありませんがちょっとやそっとの笑いでは使わず声で物理的に振動が生じるくらい並外れた大きな笑いの時にのみ使われる、笑いの大きさを表す言葉の中でも最上級の表現です。
「大勢の人が一斉に大きく笑う」ときのみ「爆笑」という表現を使います。
「爆笑」の使い方
・『見事な漫才に会場からは爆笑が起きた』
・『一発逆で爆笑を取る』
・『爆笑しすぎて疲れた』
・『ホール全体が爆笑の渦に包まれる』
「高笑い」と「爆笑」の違い
「高笑い」と「爆笑」の違いは「人数」です。
どちらも大きな声で笑う様子を表していますが「高笑い」が一人で笑っているのに対し「爆笑」は大勢が一斉に笑っている様子を指します。
現在では「一人で大きく笑う」という「高笑い」と同じ意味で「爆笑」が使われる用例が増えていますが、本来は人数に違いがある魔ったく別の言葉です。
まとめ
同じように笑いを意味する「高笑い」と「爆笑」ですが笑う理由やシチュエーションにはっきりとした違いが見られます。
どこでどんなふうに笑っているのかに注目してふさわしい表現を用いましょう。