この記事では、「鳴く」と「啼く」の違いを分かりやすく説明していきます。
「鳴く」とは?
「鳴く」には3つの意味があります。
1つめは、鳥、昆虫、動物などが声を出すです。
カラスは街中でみることができる鳥です。
よく「カーカー」という声を聞きます。
カラスがカーカーと声を出すことは、「カラスが鳴く」ということができます。
人間は声帯を振るわせて口から音を出していますが、昆虫は人間とは異なり、羽や脚をこすり合わせて音を出しています。
声を出すこととは少し違いますが、羽や脚をこすり合わせて音を出すことも「鳴く」といいます。
たとえば、セミは「ジージー」「ミンミン」など音を出しており、これは「セミが鳴く」といいます。
2つめの意味は、物と物がこすれあって音を出すです。
古い家などは、床の上を歩くと「ミシッ」と音がすることがあります。
車の走行中、急にブレーキを踏むと「キー」と音がします。
こういった音が物が出す音で、物が音を出すことを「鳴く」といいます。
3つめは、麻雀で他の人が捨てた牌をポン、カンするです。
「鳴く」の使い方
鳥、昆虫、動物、物が音を出すことを指して使用をします。
人間が口から出す音には使用しません。
「啼く」とは?
鳥、昆虫、動物などが声を出すという意味があります。
犬はワンワン、キャンキャンと声を出します。
室内飼いしている犬だと、宅配便の人がやってきたときなど吠えることがあるでしょう。
散歩中に、別の犬が近づいてきたときも声を出すことがあります。
犬の場合だと、ワンワンなど声を出すことが「鳴く」が指している意味になります。
犬は声帯を振るわせて口から音を出しています。
昆虫は声帯を振るわせて音を出しているのではありませんが、昆虫が音を出すことも「啼く」といいます。
たとえば、スズムシは羽をこすり合わせて「リンリン」と音を出しています。
「啼く」の使い方
鳥、昆虫、動物などが音を出すことを指して使用をします。
「啼」という漢字には、人が涙を流してなくという意味があり「啼泣」「啼哭」という使い方をします。
しかし、「啼く」としたときには、人間が口から音を出すことには使用しないことが一般的です。
「鳴く」と「啼く」の違い
どちらの言葉も「なく」と読み、鳥、昆虫、動物などが声を出すことという意味が同じです。
「鳴く」は、物が出す音や麻雀の意味もありますが、「啼く」にはその意味はありません。
「鳴く」の例文
・『セミが鳴く』
・『朝になるとニワトリが鳴く』
・『コオロギが鳴く声を聞く』
・『うちの犬はお父さんにだけ鳴くんだよ』
「啼く」の例文
・『すぐに啼く』
・『なぜ啼くのだろう』
・『ヒキガエルがうるさく啼く』
・『クジラが啼く』
まとめ
どちらの言葉も「なく」と読み、鳥や動物などが声を出すことという意味が同じです。
「鳴く」にはほかの意味もありますが、その意味は「啼く」にはない点が異なります。