この記事では、「黄砂」と「PM2. 5」の違いを分かりやすく説明していきます。
「黄砂」とは?
「黄砂」【こうさ】とは、中国のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠などから日本へ飛来してくる砂やちり、またはそれらが飛来する現象のこと。
舞い上がった砂やちりが偏西風と共に飛来するため起こる現象です。
西日本を中心に毎年2~5月ごろ大気が黄色くかすみ、黄色い砂で車や窓ガラスが汚れる、農作物の成長が阻害される、などの被害が起こります。
「黄砂」の直径は平均3~4マイクロメートル、花粉の約1/10の大きさです。
石英、雲母、カオリナイトなどの鉱物に微生物や化学物質が付着しているため、人体の健康にも良くないことが示唆されています。
「PM5」とは?
「PM2. 5」は「微小粒子状物質」の別称。
PMは“particulate matter”(粒子状物質)の略で、「PM2. 5」は大気中に含まれる直径2. 5マイクロメートル以下の物質を意味します。
「PM2. 5」の主な発生源は工場や乗り物から出るばい煙、ちり、化学変化によって発生した化合物などです。
体に有害な物質が含まれること、目に見えないほど微小で容易に肺の奥へ入り込むことから、ぜんそくやアレルギーなど健康被害につながることが問題になっています。
「PM2. 5」は一年を通して発生します。
ただし、偏西風が強まる春には中国の大気汚染が進んだ地域から「PM2. 5」が流れるため、3~5月に大気中「PM2. 5」濃度の高まる傾向がみられます。
「黄砂」と「PM5」の違い
「黄砂」と「PM2. 5」の違いを、分かりやすく解説します。
「黄砂」は中国から春先に飛来してくる砂やちりのことです。
一方「PM2. 5」は、大気中に存在する微小な粒子状物質のことで、国内で発生する物質、砂やちり以外の物質もが含まれるところが「黄砂」と異なります。
基本的に「黄砂」と「PM2. 5」は異なる定義を持つものです。
ただし「PM2. 5」は直径2. 5マイクロメートル以下のあらゆる物質を指すため、飛来してきた「黄砂」が直径2. 5マイクロメートル以下ならば、それは「黄砂」とも「PM2. 5」とも呼ぶことができます。
まとめ
「黄砂」と「PM2. 5」は、どちらも春先に中国から飛んでくることで混同されがちですが、定義は異なります。
「黄砂」と「PM2. 5」が同時に確認される日もみられ、アレルギー疾患や春の花粉症を悪化させるとして厄介者扱いされています。
健康のためにも「黄砂」と「PM2. 5」の特徴を理解し、正しい対策を取っていきましょう。