「齟齬」とは?
この「齟齬」は、見た目の通り、とても難しい漢字で構成されている言葉で、まず読み方から分からない人も多いと思うくらいです。
この言葉は「そご」と読み、それぞれの漢字の意味が合わさって、1つの言葉として完成しています。
「齟齬」の意味を詳しく解説
齟齬とは、「解釈の食い違い」を指す言葉です。
「齟齬がある」という使い方をされる言葉で、この意味は「食い違いがある」となります。
この「齟」と「齬」の漢字は、それぞれ単独ではまず使われません。
この「齟齬」として使う以外に見掛けることはまずありませんが、先の「齟」が「噛むこと」、後の「齬」が「食い違い」という意味をもっており、この2つの意味から、噛み合わせが合わない=解釈の食い違いとして使われています。
「齟齬」は英語では?そこから派生した日本語も?
齟齬は、英語では“discrepancy”(ディスクレパンシー)と言います。
「食い違い」という意味で、主に意見が合わない場合に使われることから、日本語の「齟齬」とほぼ同様に使えると考えていいでしょう。
尚、この「ディスクレパンシー」を略し、「ディスクレ」とした日本語表現が存在します。
この意味は「齟齬」そのもので、ビジネスシーンでよく見られる横文字言葉の1つとなっています。
最近では「齟齬」より、この「ディスクレ」の方がよく使われていると言っても過言ではないでしょう。
「齟齬」の類義語
「齟齬」と意味が近い類義語に、「懸隔」(けんかく)という言葉があります。
この言葉は「かけ離れている」という意味で、「齟齬」の「噛み合わない」と似た意味で使うことができます。
「2人の意見には懸隔がある」などという使い方をされ、大きな齟齬がある(大きく噛み合っていない)ことの表現には、ちょうどいい言葉となります。
「齟齬」の言葉の使い方
齟齬という言葉は、特に難しい使い方はしませんが、問題はこの言葉を相手がきちんと理解してくれるかどうかです。
年配の人ならいざ知らず、若い人に対して「齟齬」と使って、意味を分かってくれるかどうかという点です。
特にビジネスの世界では、前述の「ディスクレ」という言葉の方がよく使われているので、そちらの方がスムーズに意味を伝えることができそうです。
「齟齬」を使った例文と解釈
齟齬を使った例文になりますが、どれもよく使われる形なので、この言葉の使い方のいい見本だと考えていいでしょう。
ただし、上でも挙げたように、この言葉があまり使われるものでもないので、実際に使うことはあまりないかも知れません。
「齟齬」の例文1
「2人の意見には、細かいところで齟齬があるようだ」
大筋では意見が合っているものの、細かい部分が噛み合っていない様子を表現しています。
「齟齬」だけでは、噛み合わない程度(レベル、大きさ)が分からないので、それも表現したければ、この例文のように「細かな」、「大きな」といった言葉と合わせる必要があります。
「齟齬」の例文2
「文章だけでの解説では、解釈に齟齬が出る可能性がある」
文章で何かを表現すると、どうしても細かなニュアンスまで伝わらないことも多いと言えるでしょう。
それを伝えたい例文となっており、「齟齬」が有効的に使えている例でもあります。
他の言葉で置き換えるより、この言葉を使うことで、短く言いたいことが表現できています。
「齟齬」の例文3
「そこまで考え方に齟齬があるなら、一緒にチームを組むのは無理だろう」
考え方が合わない同士でチームを組んでも、いい結果は望めそうにありません。
また、この例文のような「大きな齟齬」の表現には、類義語で紹介した「懸隔」を使ってもいいでしょう。
この言葉に置き換えると、「考え方に懸隔があるので〜」となり、「懸隔」の意味がきちんと分かる相手であれば、この方がいい表現になるでしょう。