ネット上で見かける「南無です」にはどういった意味や由来があるのでしょうか?
この記事では、「南無です」について分かりやすく説明していきます。
「南無(なむ)です」の意味とは?
「南無(なむ)です」とは、「ドンマイ」と同じように「しかたがない」や「気にするな」という意味や、「ご愁傷様です」と同じように「お気の毒さまです」という意味のネットスラングです。
「南無」の意味とは?
「南無」は「帰命」と訳されます。
「帰命」は仏教用語であり、「己の心身をかけて仏陀の教えを崇め、信仰すること」や「身体を屈して敬礼や、合掌をすること」という意味で解釈されています。
「南無」の由来
「南無」とはもともと仏教用語です。
「お釈迦様」の呼び名で知られる、インドで生まれた「釈迦」の説法が仏教のはじまりとなっています。
インドでは昔、サンスクリット語(=梵語)という言語が使用されており、その中に「namas」という言葉があり、「ナモ」や「ナモー」、「ナマス」と発音されていました。
その後、仏教はシルクロードを介して中国へ渡ります。
当時の中国の学者が「namas」を漢字に音写(言語の発音を、他言語の文字で書き写すこと)した際に、「南無」という字が当てられました。
仏教の宗派における「南無」
仏教には様々な宗派がありますが、各宗派のお経にも「南無」という言葉が見られます。
それぞれ、
浄土真宗『南無阿弥陀仏』=『阿弥陀仏を崇めます』
日蓮宗『南無妙法蓮華経』=『妙法蓮華経の教えを崇めます』
真言宗『南無大師 遍照金剛』=『弘法大師空海を崇めます』
と解釈できます。
「南無」の派生
「南無」は「己の心身をかけて仏陀の教えを崇め、信仰すること」と解釈されます。
そこから転じて、困難な事態に見舞われたとき、神仏に対して「(お崇めしますので)どうかお助けください」と救いを乞うときにも「南無」が唱えられるようになりました。
それが派生し、相手の失態や残念な事態に対して「どうかお助けください」と慰める意味で、「南無」が俗語的に用いられるようになりました。
「南無です」の使い方
「ドンマイ」などのように、おもに相手の失敗や失態に対するフォローの言葉として使われています。
重複させて「南無南無です」と使われている例もあります。
「南無です」を使った例文
・『目覚ましをかけ忘れて思いっきり遅刻した・・』→『南無です』
・『天気予報が晴れだったから洗濯物干したのに雨降ってきた・・』→『それは南無です』
・『8月なのにエアコンが故障したみたい・・』→『南無南無です』
まとま
「南無です」とは「気にするな」や「お気の毒さまです」という意味のネットスラングです。
おもに、「ドンマイ」のように相手の失態や残念な事態に対するフォローの言葉として用いられます。
「南無」とは仏教用語であり、「(仏様を)お崇めします」や「(お崇めしますので)どうかお助けください」という意味で使われていました。