プロ野球の「完投」と「完封」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

プロ野球の「完投」と「完封」の違いとは?違い

野球用語の中でも混同しやすいのが「完投」「完封」です。

一文字違いのこのふたつの言葉は似た場面で使われることが多いため同じ意味の言葉だと勘違いされることが多いのですが全くの別物です。

今回は、「完投」「完封」の違いを解説します。

「完投」とは?

「完投」とは「ひとりのピッチャーが試合終了まで一人で投げ抜くこと」を意味する野球用語です。

野球のルールでは試合途中の投手交代が認められています。

ルールに総限り何度でも踏襲を変えることができますが、試合途中で投手が交代すること無く先発したピッチャーが全てのアウトを取るまで投球を続けることをさして「完投」と表現します。

以前のプロ野球では先発したピッチャーが「完投」するのが当たり前とされていましたが現在ではめっきり減っています。

現代のプロ野球の試合では先発、中継ぎ、抑えと役割が分担されています。

140試合近い長丁場のペナントレースでは投手の体力を考えたローテーションが重要であり、試合で無理をさせ回復が遅れることのないよう分業制で投げるのが現在の主流戦術です。

そのような分業制において「完投」は先発投手に過剰な負担をかける行為であるという考えが強く、現在では10試合に1回程度しか見られないレアケースです。

「完投」の定義は「一人でその試合すべての投球を行う」なので勝敗は問いません。

勝てば「完投勝利」ですが負ければ「完投の甲斐なく敗戦投手」となります。


「完投」の使い方

・先発完投型のピッチャーをドラフトで指名する。

・完投勝利まで残りアウト1つだ。

・100球未満で完投勝利はとても珍しい。

・完全試合やノーヒットノーラン以外で完投させるつもりはない。


「完封」とは?

「完封」とは「相手を無得点におさえること」という意味の野球用語です。

相手に得点を許さないのが「完封」です、得点につながらないヒットや四球、盗塁などがあっても最終的に要所で抑えて走者を生還させなければ完封が成立します。

本来の意味は9回を無得点におさえることでしたが、現在では一般的に投手が自身の投げる投球回を無得点におさえるという意味で使われます。

先発ピッチャーが相手に得点を許さないまま7回で降板した場合は「7回を完封」と表現します。

投球回数は無関係なので1アウトのみの登板でも無得点に押さえれば「完封」という表現は成立します。

「完封」の使い方

・久々の完封勝利でヒーローインタビューを受ける。

・屈辱の完封負けを喫する。

・完封目前でホームランを打たれてしまった。

・完封ペースで投げているのに打線の援護がない。

「完投」と「完封」の違い

「完投」「完封」ではおなじ「完」後が使われていますがそれぞれ意味あいが違います。

「完投」「完」「一試合が終わるまで」という「完了」という意味が込められています。

得点の有無や試合内容にかかわらず試合の終わりまで一人で投げれば成立します。

「完封」「完」「スキ無くばっちり」という「完全」の意味で使われています。

「相手チームを完全に封じ込める」という意味なので手段や経過は関係なく最終的な得点をゼロにおさえれば成立します。

まとめ

「完投」「完封」はどちらも一般的に使われている野球用語です。

野球以外の場面で比喩的に使われる機会も多いので正しい意味を理解しておきましょう。

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