殆どの人は一生関わることのないヤクザの世界には独自のルールや身内にしか通用しない専門用語などがあります。
耳にする機会といえばニュースで取り上げられるときくらいのものですがヤクザ同士のトラブル関連のニュースでは「破門」や「絶縁」という言葉を聞くことがあります。
この2つはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、ヤクザの世界で使われる「破門」と「絶縁」の違いについて解説します。
「破門」とは?
ヤクザの世界における「破門」とは「組織や団体からの追放処分」という意味で使われます。
一般的な言葉としても「破門」は「縁を切る」「師匠と弟子の関係を解消する」といった意味で使われますがヤクザの世界でもほぼ意味合いは同じです。
「破門」はかなり思い処罰ですが当事者間のみ処分である「口頭破門」と身内だけでなくヤクザ業界全体に関係を絶ったことを知らせる「破門回状」の2つがあります。
「破門回状」では義理回状(破門状)と呼ばれる通達が描く組織に出され、破門された者をかばったり身内とするなどの関わりを持った者も破門されたものと同様に敵対的な存在と見なされます。
「破門」される理由としては組織に対する不義理や不利益、顔に泥を塗るような名誉の毀損などさまざまです。
「破門」の使い方
・組の金を使い込んだ構成員に対して破門を言い渡す。
・ヤクザの世界では破門された人間は全ての信用を失ってしまう。
・ヤクザの破門など映画の世界の話だと思っていた。
・それぞれの組織が関係の深い人間に波紋を言い渡すなど緊張感が高まってきた。
「絶縁」とは?
「絶縁」とはヤクザの世界における処罰のひとつで「組織や団体から追放し今後一切の関わりを断つ」というものです。
「絶縁」は上下関係で成り立つヤクザの世界において最も重い処罰です。
親分と子分、兄貴と弟といったように擬似家族的な身内意識がコンテにあるヤクザの世界において人間関係を断つというのはその世界での未来が全て立たれるのとほぼ同義です。
「絶縁」を受けたものはその当事者はもちろんその人と関わりのある組織や団体、関係者との縁も断たれます。
最終処分としての処罰が「絶縁」であり、このような処罰が行われるということは組織間においては宣戦布告に近しい意味を持ちます。
「絶縁」の使い方
・絶縁されるとは余程のことをしたに違いない。
・軽々しく絶縁を言い渡すようなことはないはずだからよほどの訳があるのだろう。
・双方の絶縁合戦が始まってしまったらかなり危うい状況である。
・絶縁されたらこの世界では生きていけない。
「破門」と「絶縁」の違い
「破門」と「絶縁」の違いは復縁の可能性です。
どちらも関係を断つ処分ですが「破門」には将来的に復縁の可能性があります。
一時は関係を断ったとしても組織に復帰するなど関係が修復される含みを残しています。
「絶縁」には復縁の可能性が全くありません。
その時点を持って今後一切の関係を断つという処分なのでどんなことがあろうとも復縁はなく組織への復帰や再加入などの見込みもゼロです。
まとめ
「破門」も「絶縁」もまっとうに生きていれば無縁の専門用語ですがニュースなどを見るときには役立つこともあります。
知識は荷物になりません。
知っていて損はありませんから正しい意味をおさえておきましょう。