「砂上の楼閣」
「砂上の楼閣」は「さじょうのろうかく」と読みます。
「砂中の楼閣」と書く人もいますが、間違いですので注意しましょう。
「砂上の楼閣」の意味
「砂上の楼閣」の意味と由来について紹介します。
「砂上の楼閣」の意味
「砂上の楼閣」の意味は「考え方は立派だがとても実現できそうもないこと」「基礎ができていなくて長続きしないこと」です。
「砂上」は「砂の上」で「楼閣」は「立派な建物」のことです。
直接的な意味は「砂の上に高くて立派な建物が建てられていること」です。
砂の上ではしっかりと基礎固めができておらず非常に不安定で、高層建築物を支えられません。
少しでもバランスが崩れればすぐに倒壊してしまうでしょう。
このことから、理論や考え方は素晴らしくても実現が困難であることや、基礎がしっかりしていな為に長く維持できないことを表す様になりました。
「砂上の楼閣」の由来
「砂上の楼閣」は、「楼閣」という言葉が使われているので中国から来ていると思う人もいますが、実は聖書が由来です。
「マタイによる福音書」の中に以下の様なキリストの言葉があります。
「わたしのこれらの言葉を聞いても行わない者を、砂の上に自分の家を建てた愚かな人に比べることができよう。
雨が降り、洪水が押し寄せ、風が吹いてその家に打ちつけると、倒れてしまう。
そしてその倒れ方はひどいのである」この文章から「砂上の楼閣」ということばが生まれたのです。
「砂上の楼閣」の言葉の使い方
「砂上の楼閣」の使い方には以下のポイントがあります。
良い意味では使わない
「砂上の楼閣」は、見た目が立派な建物を表すので、「内容が立派なのに惜しい」という意味で使う人もいます。
しかし「惜しい」のではなく、完全に実現できそうにないことや、基礎ができていないことを意味するので、なぐさめや気配りの言葉ではありません。
相手が失敗した時に励ます意味で「砂上の楼閣だったね」などと言わない様にしましょう。
内容や考え方は立派なことを意味する
「砂上の楼閣」を砂でできたお城だと思い「中身がない」という意味で使う人がいます。
しかし、「砂上の楼閣」はあくまで地盤が砂のもので、建物まで砂でできている訳ではありません。
内容や考え方はそれなりに立派である時に使います。
「砂上の楼閣」を使った例文・短文(解釈)
「砂上の楼閣」を使った例文と解釈を紹介します。
「砂上の楼閣」の例文1
「発想は良かったけれども具体案が少なく砂上の楼閣となった」
斬新な発想なのでプロジェクトを進めてみたところ、理想ばかりで具体案が全く出てこないことがあります。
会議を進めるごとに段々と皆のモチベーションが下がっていき、結局プロジェクト自体が中止になってしまったことを表しています。
「砂上の楼閣」の例文2
「夢に向かって努力をしたつもりだったが所詮砂上の楼閣だった」
将来的な夢を持ち、様々な努力をしている人もいます。
しかし現実的には「お金がかかる」「仕事が忙しい」「年齢的に厳しい」など様々な問題が起きてきます。
努力や希望だけで夢を実現できないと思い、諦めてしまった状態を表しています。
「砂上の楼閣」の例文3
「あの会社は社長の若気の至りで砂上の楼閣で終わった」
若い人が自分で起業をして、しばらくは時代の波に乗って順調に経営できていたものの、段々とうまくいかなくなってくることがあります。
ビジネスというのは1年後、3年後、5年後ときちんと計画を立てて進めないと、段々と赤字が増えていくものです。
若さとやる気だけで経営されていた企業が結局倒産に至ったことを表しています。
「砂上の楼閣」の例文4
「彼氏との幸せな未来は砂上の楼閣だった」
彼氏と結婚して幸せな未来を思い描いていたけれども、相手はそこまで本気ではなかったのでしょう。
段々と愛情が冷めてしまい破局をした時にこの様に言います。