「目下」
「目下」には異なる二種類の読み方があり、それによって意味も異なってきます。
「めした」と読む場合には、自分より地位や階級、家族関係や年齢などの点で下にある人物を意味し、「もっか」と読む際には、直面する今このとき、を表します。
より詳しい意味は次の項目で見ていきます。
「目下」の意味
前述したとおり、「目下」には大きく分けて二つの意味があります。
「めした」と読む場合には、自分より立場の低いことを表したり、また自分より地位の低い人物を表します。
反対語には「目上」があります。
一方、「もっか」と読む際には、目の前にあること、すぐ近くにあること、また今この瞬間、たった今現在の時を表します。
読み方によって意味が大きく異なってくることが、この言葉の重要なポイントです。
「目下」の言葉の使い方
「目下」は、「めした」あるいは「もっか」と読む場合どちらでも、名詞として使われます。
自分より立場の低い人物を表す際には、「目下(めした)の者、人」といったように、「?の」を用いて二つの言葉をつなげて使います。
時を表す「もっか」を使う場合も同様で、「目下(もっか)のところ」といったように、他の言葉と組み合わせて使うことが可能です。
また「もっか」単体でも、「今この瞬間に」といった福祉的な意味合いで使うことが出来ます。
「目下」を使った例文・短文(解釈)
それでは、「目下」を使った例文を参考に、実際に「目下」がどのように文中で使用されているのか見ていきましょう。
「目下」の例文1
「目下のところ、A家一家の経済は家賃収入に頼っている」
ここでは「目下」は「もっか」と読み、時を表しています。
現状では、A家一家の世帯収入は不動産収入が中心になっている、という例文です。
「目下のところ」は、非常によく使われる言い回しなので、是非一つ覚えておくと便利でしょう。
「目下」の例文2
「社長婦人は会社の目下の者にも非常に親切だ」
この場合の「目下」は、地位の低いものを表す「めした」として用いられています。
会社の人間からすれば、社長の奥さんは従業員よりも高い地位にあると見られることが多いでしょう。
そんな社長婦人ですが、自分の地位の高さを鼻にかけて驕り高ぶることはせず、地位の低い従業員のものにも分け隔てなく優しく対応している、ということですね。
「目下」の例文3
「彼は病院に入院しているが、目下の状態はあまり思わしくない」
ここでの「目下」は、今この瞬間、現状を表す「もっか」です。
「目下の状態」、つまり病院に入院している登場人物の、現在の健康状態を表しています。
「状態」だけですと、曖昧な表現ですが、文脈で病院に入院している人物について話していることから、「状態」が表すものは、健康状態であるとわかります。
そんな彼の現在の健康状態は、残念なことにあまり宜しくないようですね。
「目下」の例文4
「この問題の原因については、目下調査中でありますが、いまだ解決の見通しは立っておりません」
ビジネスシーンなどで使われるフレーズですね。
ここでも「目下(もっか)」は現状を表していますね。
何か問題が発生し、現在担当のものが原因追究している最中であるようですね。
部下のものが上司に現状を報告している様子です。
しかし現段階では、まだ解決の見込みは立っていないということですね。
報告書などでよく見受けられる言い回しなので、覚えておくと便利でしょう。
「目下」の類語と解釈
それでは最後に、「目下」の類語表現についてご紹介します。
「目下(めした)」の類語には、「後輩」、「新参」、「後任」、「新入り」、「弟子」、「下級生」、などがあります。
「目下(もっか)」の類語には、「当座」、「現在」、「当面」、「今まさに」、「現行」、「現今」、等様々な表現方法があります。